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怪我の功名は寛大なプラモだからこそ/塗装の新境地へ連れて行ってくれたMENG MODELのデフォルメ戦車

 ピカピカに光った紫の38(t)は思ったよりも発色がよく、さらにツヤありなのを見逃していたので、じつは想定外の見た目です。思ったよりもとても元気に仕上がりました。とりあえず進めるかと明るめの水色でドライブラシをしました。寒色でまとめつつしっかりと明度と彩度に差をつけるには手持ちの塗料の都合上、これが正解だ……!

 ある程度明暗のついた状態から平筆で何度か色を重ねているうちに気づいたことがありました。すでにデフォルメという誇張をされた戦車はザクザクと大雑把にタッチを重ねていくことに対して寛大なのです。

 「とりあえずジャーマングレー」と、ドイツ戦車のことを知った風な様子で選んだグレーをペチペチと平筆が生み出す長方形のタッチを重ねることをやめにして、寛大さに甘えるようにオリーブグリーンやこげ茶も塗り込むことにしました。水で薄めたファレホというスペインの水性塗料は、装甲にピチャッとその痕跡を残してはヒートガンの熱によって薄い色のついたフィルターとなり、表面に様々な表情を生み出してくれます。

 どんよりした色使いの戦車塗装に、スプレーを吹いて思わぬ結果になった紫の鮮やかさが戦車の重厚感を引き立ててくれていることに気づくと、色を残しながら塗装していったおかげで、ボディのグレーは鮮やかな紫が近くにあるから暗い色だと認識できるということがよくわかります。反対もまたしかりということで、残したい紫の部分を間違えて塗らないように気をつけました

 今までだったら初手の紫で破綻していたであろう塗装はデフォルメモデルだからという理由で気楽な気持ちで完成まで進めることができました。その割にはいつだったかに塗装したタミヤの38tの砲塔よりもしっかりと明暗が出ていて良い仕上がりです。部分で見ると紫や茶色、オリーブグリーンや青があるが全体としては綺麗にまとまりました。

  デフォルメモデルはいつも無意識にはめていた枷を外してくれるかもしれない、と塗装を通じて感ることができました。ワールドウォートゥーンのドイツ軽戦車38(t)はとびきりのお気に入りとなったので、いつでも見られるところに飾って置こうと思います。

クリスチのプロフィール

クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。

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