
アオシマの”新生痛車シリーズ”を定点観測しているワタクシですが、「ザ☆チューンドカー」のシリーズにラインナップされた最新作(実質シリーズ4作目と位置づけて良いでしょう)で、ついに「キタコレ」の4文字が脳内に輝きました。1/24 BLACK LAGOON TA22 セリカ 1600GT ‘72(トヨタ)でございます。側面のグラフィックが4分割され、「ボディサイドにイッパツで巨大なデカールを貼る」という高難度のウルトラCが要求されなくなったのです。現代的な大きいグラフィックを取り入れつつ、これに貼りやすさという要素を素直に加えたことでアオシマの新生痛車シリーズは次なるステージに入ったと言っていいでしょう。めっちゃくちゃいいぞ。

なにがすごいってデカールのアウトラインの精度ね。ドアのキワとボンネットのショルダーに合わせてデローンと貼るとこれでもかってくらいクルマの輪郭にビタッと沿ってくれます。そのかわりホイールアーチ部分はものすごく余裕を持って寸法が余らせてあるので、ここはヒートガンやマークソフターを使ってエッジ部に回り込むよう処理できます。この動作を4回やればビチーっとグラフィックが繋がって、ドアノブやサイドマーカー部分の切れ込みもボディパーツの彫刻と寸分たがわぬ位置に来てくれる。木型時代のプラモデルが持つ曲面に対し、どう設計すればこんなにバチピタなデカールができるのかよくわかりませんが、とにかく偉い。

さらに核心は、このセリカの金型が43年前のものだという事実ですよ。43年前のキットということは、パーツ構成が現代基準よりも圧倒的に少ないし、細部の表現はファジーだし、彫刻のシャープネスも劣ります。しかしそれゆえにあっという間にカタチになってくれます。痛車をリアリティの総合格闘技と捉えずに、キャラ絵が支配するカラテだと捉えれるならば、とにかくさっさとデカールを貼りたいわけですよ私は。痛車製作においてこの「工作のスピード感」は決定的ですよホントに。

プラモを選択したことによって爆速で「とにかくセリカに見えるボディ、ちょっと獰猛なカスタム」がまず手に入る。そして押し出しの強いグラフィックが的確に分割されたデカールでドンと乗る。痛車は車の完成度も大事かもしれないけど、トータルで言えば「キャラが気持ちよく乗っかっているか」の方に目を奪われるタイプの模型です。クルマの組みやすさ、そしてデカールの貼りやすさ。どっちも簡単であることが絶対の正義だとは言いませんが、ちょいクラシックな’80sのプラモデルが現代的なグラフィックとともに再び輝くというのはとてもクールなことに思えます。