
セリカがポルシェに勝ったらしい。スーパーカーやシルエットフォーミュラに熱狂する子どもたちに遠くヨーロッパの出来事を教えてくれたのが1977年に発売されたタミヤのセリカLB ターボ Gr.5だ。8月に1:24のモデルが発売され、翌年10月にはひと回り大きい1:20のモデル、その翌月には1:12のRCカーも発売されているので、当時のタミヤもこのマシンに賭けるところがあったのだろう。
日本のカーモデルがことごとく電池とモーターで走る時代。キットの内容はとてもシンプルで、こんなに少ないパーツ数で大丈夫かとうろたえてしまうほど。しかしミッションやドライブシャフト、リアデフが浮き彫りになり、部分的にフラットボトム化されたシャシ裏の造形などはちゃんと取材をした(あるいは資料提供があった)のだろうと思わせるだけの迫力がある。

青一色でドライバーも立体化。ハンドルと腕のフィッティングに少々手こずるが、当時は存在しなかった速乾性の流し込み接着剤を使いながらじわじわと位置を決めればなんとかゴールできるはずだ。モーターライズ用のギミックもシャシの内部の彫刻やいくつかの不要パーツとして痕跡を残しているから、ミニ四駆の遠い祖先だと思って眺めてほしい。

色鮮やかなデカールはイタリアのカルトグラフ製。発色よく、濃い青の上からでも透けなく仕上がることが期待できる。パッケージに踊るカラフルなロゴも元気がよく、プラスチックの色を活かしてそのまま組み立て、デカールを貼ってフィニッシュというのも立派な楽しみ方だ。

7/22から東武百貨店 池袋店で開催されるタミヤモデラーズギャラリーではこのマシンの実車が展示される。来た、見た、買ったでズドンと作れる往年のマシン。もし可能ならば実物を見たテンションのまま、あっという間に形になる疾走感を、あなたにもぜひ味ってもらいたい。