

ハセガワがZ32のプラモデルを発売すると聞いたときは「タミヤとフジミのプラモデルがもうあるじゃん!」と反射で叫んでしまったのですが、私が間違っていました。ハセガワの最新キットは4人乗りなんです。これまでは2人乗りのプラモデルしかなかった。そもそもフェアレディZに同じ顔で2人乗りと4人乗りのモデルがあるということすら知らなかったので、やはり私はプラモデルを通してクルマの歴史と構造を学んでいるのだな!
一番わかりやすいのはインテリアのパーツ。左がハセガワ(2by2)、右がタミヤ(2シーター)です。なるほど、人間が2人多く乗るために前後に長い空間が必要だなという当たり前の感想が出てきます。

しかしこのクルマのスゴいところは「2人乗りと4人乗り、外観はパッと見同じなんだけど、じつはシャーシから全部違う」ということ。私は2シーターモデルの上っツラしか知らなかったので、プラモデルを手に入れてからZ32のことを勉強してだいぶ驚きました。
人をふたり多く乗せて、クルマの性能の根幹に関わる前後タイヤの距離や幅をごくわずかに大きくしながらも、外観がドカンと大きくなって見えないよう(=スポーツカーとしての精悍さを失わないように)注意深くデザインされているのです。

左がタミヤ製2シーターモデルのボディ。右がハセガワ製2by2のボディ。両者を隣に並べてじっくりと眺めると、その「同じぶり」と「微妙な差」が見えてきます。そしてだんだんと「え、この2つのクルマに同じモデル名を付けてまったく違う設計にしてるの、めちゃくちゃリッチじゃん!」ということに気づき、バブルの残り香が鼻の中になだれ込んでくるのを感じるのです。つぎにこのふたつを見比べるのはアナタ。一見同じように見えるからこそ、クルマの設計の秘術が隠れていることを知る。その面白さは、ハセガワが新たに2by2のZ32を発売しなければ味わえなかったものなのです。