

「飛行機の設計では軽く仕上げることが最も重要な点の一つと言われます」と始まる説明書表紙の解説文。プラモデルは基本的に何かを小さくし、プラスチックという素材で模したものだ。だからモチーフが巨大で重いほど実物とプラモデルのイメージ的なギャップは大きい。しかし1/72のスカイホークという飛行機はどうだ。ジェット機なのにと指先でつまめるような大きさの翼がハコの中から出てきて、「こんな小さな翼でキミは空を飛んでいたのか」と驚く。

風防の透明パーツを除けば、残るは左右に割られた胴体と翼。そして着陸脚や武装を再現する小さなパーツたち。少ないパーツで空母から飛び立つ軽量な攻撃機を表現しようという狙いが視野にまるっと収まる。タミヤが1/72スケールで展開する戦闘機模型シリーズ「ウォーバードコレクション」のなかでも比較的初期のアイテムにあたり、プラスチック部品はタミヤと提携するイタレリ社が製作したものだ。

初版が1983年の海外産プラモデルゆえに、パーツ同士の位置決めは現代のプラモデルほど親切ではなく、歪みやズレが出ないように組もうとするとかなり難儀する。しかし主翼表面に入った細かい彫刻やエンジンノズルのごく薄いフチなど、見どころも多い。
もっと現代的ですんなり組めるスカイホークの模型がほしければ他社のものから選ぶのもいいが、本キットの美点は「安価で手に入りやすい」ということに尽きる。いまの基準に照らせば決して「作りやすい」とは言えないが、反対に言えばこれを思い通りに組めれば大抵の飛行機模型に挑戦できると考えていいし、定価税込770円程で新品購入できるプラモデルはバンダイスピリッツのエントリーグレードかタミヤのウォーバードくらいのものだ。

説明書に書いてあるがまま、パーツを切って所定の位置に貼る。1/72のジェット機とは思えないほど可愛らしい体躯が机の上に出現し、いまから70年以上前にダグラス社の主任設計者、エド・ハイネマンが思い描いた小型軽量の傑作飛行機を手中に納められる。
説明書に書かれた「21世紀まで現役で飛び続ける予定です」という文句のとおり、A-4はブラジルとアルゼンチンでいまだ現役。実機同様のロングセラーとなったプラモデルも、あなたをエースパイロットに育ててくれる教官役としていまだ棚で離陸の機会を伺っている。