
勝利の女神NIKKEは「背中で見せるガンガールRPG」という触れ込みでリリースされた。けれど、そんな情報はほとんど知らないまま、私は電車の広告を見て、サービス開始から1週間ほどでこのゲームを始めた。
キャラクターの魅力はもちろん、今ではよく知られるようになった重厚なストーリーにもすぐ引き込まれた。序盤はとにかく何もかもがうまくいかず、ニケたちとの距離も遠い。そのなんだか冷めた空気が気に入ったのか気づけばこの世界にどっぷり浸かっていた。そして、そんなNIKKEの魅力を改めて実感したのが、ビジュアルブックを手に取ったときだった。そこで強く印象に残ったのは、キャラクターというよりは、むしろ靴のデザインの異様なまでのこだわりが全体にいきわたっている様子だった。

医療に従事するニケは、きちんと病院勤務らしい実務性を感じさせる靴を履いている。一方で、超エリートの戦闘マスターのようなニケが、自分の実力になると靴の機能は関係ないと言わんばかりに、クリスチャン・ルブタンも驚きそうな鋭く細いピンヒールを履いていることもある。その職能に寄り添う説得力も、あえて外してみせるミスマッチの良さもある。とりあえず感がないというか。ニケの足元には、そのキャラクターの役割や空気が詰め込まれている。

ただ惜しいことに、このゲームではその靴をしっかり見る機会があまりに少ない。ロビー画面の立ち絵でも、ストーリー中の画面でも、膝下はほとんど映らない。図鑑機能で全身表示にして、ようやく確認できる程度だ。あれほど凝った靴がデザインされているのに、普段のプレイではほとんど鑑賞できないのである。
そんななかで、未来的なボディスーツに足首をベルクロで固定するバッシュ然とした靴を合わせるアリスのデザインは、NIKKEの靴表現の面白さを象徴している。未来っぽいフラットな靴じゃないんだ、という。

そしてその靴の良さをそれなりの大きさをもって手元で好きなだけ味わえるから、エクスプラスのアリスのプラモデルはすごいのだ。大きなフィギュアだと怖くておいそれと触れない。プラモだからパーツだけを眺められる。作りながらデザインを味わうこともできる。……なんて書いている私も、靴下がリブソックスで、バッシュとの組み合わせがぴったりなことに組み立てている最中に気づいたのだった。

もちろん武器の造形もいいし、ボディスーツもいい。台座の完成度だって高い。けれど、このプラモデルを前にしたとき、私がいちばん感動したのはやはり足元なのである。