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象に化かされる/ARTPLA「アフリカゾウと観光客セット」

 これは何ですか?……ってことはないな。アフリカゾウのプラモのランナーだね。箱にゾウが描かれてるのを見て買ってるし。その箱のフタを開けたから今、目の前にこの景色があるわけだし。クーラーつけてるし、水分とってるし、体調万全プラモライフを心がけてるし……。

 それだけの自覚がありながら部品を切り取ると突然不安が訪れる。……君はなんだ?バラバラになったゾウの一部分。なんかこういうイルカの仲間いない?君はホントにゾウなのかい?

 これは砂浜にいるユムシの部品……ではないな……。落ち着け自分。そんなモノが店頭に陳列されているわけがないだろう?今日行って来たのはプラモ屋さんだろう?

 ほらごらん、この大きな翼。これが伝説の怪鳥、アフリカンツインウィングの姿……ではない。落ち着け自分。お前は何を買ってきたのか思い出してみろ。

 こっちは立派な象牙だろう?そう、象牙。ゾウ?そう、これはゾウのプラモだった……自分がゾウのプラモを用意したのだということをウッカリ忘れてしまうところだった。「円柱を斜めに切った面の輪郭から楕円が得られる」みたいな話は授業で聞いたことがあったけれど、ゾウをバラバラにしたらどんなカタチになるかなんて学校では教えてくれない……。

 動物のプラモデルなんて真ん中で左右に割られているモノなんだと思っていた。だからゾウのプラモは動物ビスケットみたいなゾウを横から見たシルエットが左右に割られた部品になっているのかと思っていた。首から下は概ねそんなカンジなのだけれども、特徴的な頭のほうが想像もしないようなカタチに分割されていた。

 乗り物のプラモならタイヤだとか、ハンドルだとかはバラバラの状態でも「分かる」部品として見ていられる。なんだかわからない部品はそもそもそういうカタチのモノがそこについていることを知らない「組み立てを通して知る」存在だ。

 でもこのアフリカゾウのプラモはちょっと違ったね。アフリカゾウに長い鼻があることも大きな耳があることも知っていた。知っていたのに、その知ってるハズのモノが部品の状態だと別の何かに見えてしまう。こういうの、ゾウにばかされるって言うのかもしれないな。パヲーン!

HIROFUMIXのプロフィール

HIROFUMIX

1983年生まれ。プラモデルの企画開発/設計他周辺諸々を生業にしています。

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