

誰しも味や見た目をよく覚えていて、何度も通う「行きつけのお店」があるはずです。私はそれが秋葉原にあって、モチモチの麺と噛みしめると甘みを感じるほど味が凝縮されたベーコン、魚介豚骨の濃厚なスープのつけ麺で、これを食べなきゃ週末の自由時間は始まらないぜ……と思うわけです。
それと同じくらい、何度も作ったプラモデルがあります。完成してみればチマっとかわいいサイズの、タミヤ1/48MM「ドイツ陸軍 軽戦車 38 (t) E/F型」。私が初めて作ったタミヤのプラモデルで、塗ったり素組みだったり、手放したりして、今は1台だけ家に飾っています。模型店で見るたび惹かれて、4~5回に1回買って、作っているくらい好きなので。

プラモデルの組み立てと飲食店のオーダーって、どこか似ている気がします。今日はガッツリ大盛り、トッピング追加、スープは濃いめ。プラモデルなら装備品を組まずに本体だけ組んだり、戦車なら車外装備品をたくさん積んだり、積まなかったり。ランナーのまま眺めて、精緻なパーツ配置をアテにお酒を飲んでもいいし、乗員おじさんがいてもいなくてもいい。今日のカスタムは素組みで完成、乗員おじさん抜きハッチ開け、装備品全部盛り。そのうち黒サフ(下地塗料)からの筆塗りでいきましょうか。

2回目3回目のプラモデルなら、完成までは知った道。「ここだけは!」と思うパーツだけ押さえて、バリエーションを楽しむのもアリだと思います。こういう所は陸軍史というか、戦車の歴史をよく知らないからやってしまうことかもしれませんが……。


ちっちゃいパーツを切って貼って4時間ちょっと。いちばん手間が掛かるのは細かな履帯を貼り合わせる部分ですが、手のひらサイズでかわいいのにゴツゴツと武骨な造形が手に入るのは楽しい、嬉しいところですね。小さなサイズでも妥協なくミチッとモールドが彫り込まれていて、組んでいる最中も、完成しても楽しい。何度も味わって、ゴールまでの道を覚えているからこそ「この組み立てが一番楽しい」とか「この造形が欲しくて組んでるんだ」とか、一段と解像度が上がった楽しみ方が見えてきます。食事もプラモデルも、回数を重ねるだけ好きな所が増えるんです。

武骨で乗用車より大きいはずの戦車が手のひらサイズに縮まって、ちょこんと卓上に乗る1/48MMの軽戦車。デカい戦車ほどちっちゃくキット化されるとうれしいので、1/144くらいの重戦車とか見たらかわいすぎて卒倒するかもしれません。