日常の景色をぎゅぎゅっと凝縮した「バスのプラモ」はいかがですか?

 バスのプラモ。1/80というスケールで、これは日本で便宜上HOゲージと呼ばれている鉄道模型の縮尺に合わせたものです。ピッチピチの新製品サンプルをアオシマさんよりいただきました。毎日乗っているバスが、グーンと小さくなって目の前にある。この時点でかなりおもしろい。

 バスに乗るというと、車内の光景というのは運転手さんがいて椅子があって立ってる人がいて……まあだいたい車窓をボケッと眺めているくらいのもんで、たとえばタイヤの位置がここなのかとか、シートの数ってこんなもんかとか、こういう神の視点でバスの中の「間取り図」を冷静に観察することはなかなかない。巨大でたくさん人が乗るクルマというのは妙なメカなんだな、とすら思えてきます。

 タイヤは4つと見せかけて、後ろがダブルタイヤなので全部で6輪。それぞれ半分に割られているので12個の丸っこいパーツが並んでいます。これは黒く塗ってタイヤらしくしてあげたいですわな。

 つり革や手すりにおつかまりください。いや細いですね!銀色に塗って、つり革は白く塗って、そーっと天井に貼り付けるさまを思い浮かべます。バスは窓がでかいので外から丸見えだもんね。

 椅子もたくさん付いてます。あのもふもふした風合いをどうやって出そうかな、なんて考えつつ、このアイボリーのまま「バスのカタチをしたプラスチックの塊」として遊んでもいい気がしてきます。

 窓ガラスもいっぱいある。これの縁取りを黒く塗るのは難しそうですが、アオシマの最近のプラモは必ず窓枠塗装用のマスキングシールが入っているので安心。でっかいデカールも付いてますので、好きな行き先に仕上げましょう。

 個人的に、この運転席周りの造作がすごく楽しそうだと思いました。バスにしかない特徴的な場所ですから、組んで「なるほどね」と言ってみたい。それにしてもデカールや塗装の指示が多い!

 ……そう、このプラモって小さいけれどすごく緻密にできているし、そもそも本物がかなりカラフルな仕上がりなので、これをきっちり組んで実物に近づけようとするとどうしても塗装やデカール貼りの作業が多くなってしまうんですよね。ハッキリ言えば「難しそう」なプラモになっています。

 でも、「難しそうだから、やめておこう」とビビることなかれ。組んでカタチを知る、というのは楽しい遊びですし、タイヤだけ塗るなり、車内だけ塗るなり、なんなら外装も「オレのバス」ということにして、金色に仕立てるなり3倍速くするなり、遊び方はいくらでもあるのです。箱と説明書にそうかいてあるんだから、そうしなきゃいけないよね!と思っているとできないこと、案外あります。「これは『できる人』のものだから、オレにはちょっと……」と思うのはもったいない!軽率に買って、軽率に組んで、できることだけやってみましょう。できることが1つ増えて、2つ増えて……となっていくうちに、いつしか「なんだ、できるじゃん」という日が来ます(そしてその日が来ても、「やりたくないことはやらないもんね」というモデラーはたくさんいます!)。

 ほら、この空調の室外機のギチっとした凝縮感を見たら、欲しくなったでしょ。

 アオシマの新しい境地を見せてくれるバスのプラモ、みなさんもぜひ。

■青島文化教材社 1/80 ワーキングビークルシリーズ No.1 三菱ふそう MP37 エアロスター (東京都交通局)

■青島文化教材社 1/80 ワーキングビークルシリーズ No.2 三菱ふそう MP37 エアロスター (大阪シティバス) 

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からぱた
@kalapattar

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。

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