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どこに座れば快適なのかを考えたくなるプラモデル/RODEN オペルブリッツエアロバス

 久しぶりに新幹線に乗ることになったのが結構うれしかったのか、座席予約のときに窓際を選択した。外の景色を見るのが楽しいと思ったからだ。そして、実際に外の景色を見るのはとても楽しかった。

 上野から仙台に向かう中で、トンネルをくぐるたびに風景が変わる。途中で一面の銀世界になったときは「これより北の仙台はもっと雪がすごいのか?」と、そんなわけないのに少しドキドキしたりもした。ただ、上野駅から乗る新幹線は始発駅ではないのであわただしく乗り込むこととなったし、仙台駅も終点ではないのでのんびり降りるなんてこともできなかった。

 つまり、窓際で景色を楽しく眺めるほかに、「通路側で乗り降りをスムーズに済ませる」という快適さを取る選択肢があったということ。帰りのチケットも窓側を取っていたのだけど、大荷物を持った乗客が隣に座って寝てしまったので、降りれるかどうかドキドキした。ただ新幹線に乗るといっても、席の配置やどこに座るかが自分の快適さにけっこう関わるようだ。

 なんでこんなことを話すのか。RODENの1/72 オペルブリッツエアロバスを作っていたら、車内の席のレイアウトがとんでもないことになっていたからだ。一瞬、説明書のイラストがバラバラに動き出してしまったのかと目を疑ったほどだ。観光バスという話ではあるが、窓側に身体を向けさせる意味があるとはいえ、こんなに挑戦的なレイアウトだとは思わなかった。

 新幹線でどこの席に座ると自分が快適なのかをちょうど考えていたせいもあり、自分だったらどこに座るかちょっと考えたりしてみた。殆どの席が進行方向を向いていないから酔いそうだ。というか「今日はオペルの観光バスに乗るのよ」なんて誰かに言われて、何も調べずに乗り込んだら、さぞびっくりするだろう。

 プラモ自体は細かいパーツが多かったり、折れやすいプラスチックの質感だったりと最初は違和感を感じた。ただ、慣れてくると、キット全体のクセを覚えるようでパーツの取り扱いが上手になってくる。そういう自分自身とプラモのチューニングが楽しいプラモデルだなと思う。出来上がった異様な姿のバスが、本当にいいんですよ。「こんなの走ってたのか」って思うけど、私がどこに座るのが良いか考えていた新幹線の形にも何十年か時がたつと同じような感想を抱くかもしれない。

 初手で折ったハンドルの支柱は真鍮線に置き換えたが、窓ガラスを表現するフィルムはすっかり貼り忘れてしまった。ただまぁ、これはこれで建築模型みたいなこざっぱりした感じで気に入っている。

クリスチのプロフィール

クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。

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