
模型製作をしている中ふと顔をあげると「外が見える」……。それこそが自分と趣味を繋いでくれる最高の景色と瞬間だ。


記録的な猛暑の中引っ越しをした。と言っても住まいを変えたのではなく、それまで作業部屋
として使っていた6畳間からエアコンの付いた広いリビングに製作環境を移設したのだ。これまでよりも、せっかく広い部屋に移るのだから、涼しいだけでなく製作中も思案中も休憩中も思わずニンマリしてしまうような自分だけの空間を作ることにした。そう。男なら誰でも一度は憧れる「秘密基地」だ。上の写真がまさに引越し中の状態で、下の写真が引越し後の様子だ。


僕は趣味だけでなく、仕事で模型を作っている以上、1日の大半は作業机に座っていることになる。メインの机はより大きめに。YouTube 動画撮影や編集作業も快適にできるように。息抜きのスペースも欲しいぞ……とリストアップしていくときりが無くなる。自分の理想はまさに欲望の塊ともいえる。それを全て叶えるのは難しいので、色々削ぎ落としていったのだが、やはりひとつだけ譲れないことがあった。

それは模型製作スペースは「窓の側」ということ。自然光がたくさん入り作業がしやすいだけでなく、工作中や塗装中にふと顔を上げた時に見える「外の景色」が、自分の心を思いっきり癒してくれるのだ。この気持ちよさだけは譲れない。だから窓の近くに設けた製作スペースに、棚、工具、電源、照明などなど……今まで使っていたものを活用しつつ、新しく用意するものと組み合わせて再構築していく。その作業はプラモデルでいう「ミキシング」にちょっと似ていて楽しいのだ。

窓際ということで、工具などの収納に壁を使えない。だからワゴンやトレイを使って収納したり、細かな雑貨を作業環境と分離することで作業机の上を整理整頓しやすくしてみたりした。


意を決してペンキを塗った壁もお気に入り。鼻歌まじりに組んだキットにちょちょっと筆塗りで色を乗せたらものすごくカッコよくなった……みたいな感覚。うん。やっぱり模型趣味に似ている。

「趣味の部屋」と仕事に集中する「ワークスペース」の2面性を両立させるのは案外難しかった。10数年前。模型をはじめた時は「生活の中」 に模型があったのだが、今はすっかり 「模型の中」に生活が溶け込んでしまった。その変化を受け入れて、今の自分にアジャストする部屋を作ることは、模型を作るよりもたくさん頭を使ったと思う。その甲斐あって、これから数年後も「今の自分」が趣味と生活を思いっきり楽しめる空間を作り出せたと思う。