プラモデルに「描かない」ハゲチョロ塗装を!/サーフェイサーEVOとMr.シリコーンバリアー

▲とにかくエッジに傷を描くべし!描くべし!…

 メカのエッジに沿って、塗装が剥がれている表現ってイイよね。と、ゲーム「アーマード・コア フォーアンサー」のOPムービーを観た者なら誰もが思うと思う。もちろん当時のワイも思った。そして面相筆を手に取り、エナメル塗料で傷を描き込んでいく!ハァハァ……死ぬほど描き込んだぞ!

 が、うーん……。人間の手だと限界あるな。どーしてもエッジの効いたカクカクした傷を描くのは難しい。どうしても丸くなってしまう。「くっ!諦めるな。練習あるのみ!うぉぉぉ……!!」

 そして10年経ったがどうにもならねぇ! というわけで技能向上は諦め、技法「剥がし塗装」で対応する。

▲下が表面処理を終えたパーツ、上が塗装後

 まずは塗装の剥げたとこから露出する金属部分である下地の色を塗る。今回は色付きサーフェイサーこと、ガイアノーツの「サーフェイサーエヴォ ガンメタ」を使用。別に下地はふつーの塗料でも問題ないが、下地処理と塗装がいっぺんにできるのでひと手間減って楽ちん。塗り心地もラッカー塗料と変わらない感じでグー。

▲上が塗ったほうなんですが……ほぼわかんない。結構べったり塗ってもすぅーっと消える。

 下地塗装が終わったら、パーツ型取りなどの際にパーツと型がくっつかないように鋳型に塗る剥離剤の「Mrシリコーンバリアー」を使用。特に薄めることもせず、原液のまま筆塗り。乾燥が早く、乾いたあとはどこに塗ったか判らんくらい透明になるので、どのパーツまで塗ったっけ……となる。なった。

▲綿棒や竹ひごでこすると、下地と塗膜の間にある剥離剤のお陰でポリポリっと剥がれる

 あとは普通にラッカー塗料で塗装して、「Mrシリコーンバリアー」を塗った箇所をこすると、塗膜が剥がれて歴戦のメカっぽい感じに!手で描くより断然リアル!擦るものによって剥がれた感じが異なるので「コレがこうぶつかって……こうじゃ!」と想像しながらやると楽しい。

▲ほいできた!コマンドウルフ。
▲拡大しても手描き感ナシ。ヨシッ!

 というわけで完成~。なお、「この技法を使うと全体的に塗膜が弱くなっているので、最後はクリアスプレーなどでコーティングしてやるとよい」と世の技法書には書かれていますが、ワイはそれをやらずに、しばらくデスクに飾って、気が向くとポリポリ剥がし箇所を追加し育てていく所存ナリ。完成とは……。いいんだよそれで。

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コピルアク

1981年生まれのプラモエンジョイ勢。本業はゲームとかつくる人。