
塗料を混ぜる。これ超大事。塗料は顔料(色)と溶剤(プラスチックに食いつかせる役割)だけでなく、色を均一にむらなく展開したり、ツヤをコントロールするための粒などいろいろな化合物の集合体が液体の中に浮いているので、これを均一にしないと良いコンディションで塗れない。とにかく混ぜよう。
で、割り箸とかランナーの切れ端とか「調色スティック」という金属棒とかを使う流派が存在するのですが、瓶の中に棒を突っ込んでグルグルかき回すと棒に塗料が付いて、これをキッチンペーパーとかで拭い取るときに「この塗料で塗れるよな……」っていつも思う私がいます。みなさんはいままでにゴミ箱に捨てた塗料の量を覚えているか……。

そこで私が最近実践しているのが「塗料を買ってきたら即座に鉄球をぶち込む」というスタイル。鉄球を3個くらい入れて瓶を1分くらい振ると、中身はほぼ完璧に混ぜられています。鉄球の動き出しが渋ければ中の溶剤や溶媒液が足りなくなっているから少しだけ足しておくとか、鉄球の音があまりにクリアに聞こえると「お、そろそろこの塗料なくなるな」というのが体感でわかるようになります。鉄球は塗料の声を聞くための道具なんやね……。

鉄球を入れてしっかり蓋を締めたら全力で振る。当然棒を突っ込んでかき混ぜなくて良くなるので、棒についた塗料がもったいない〜ということもなくなるし、棒を毎度洗ったり捨てたりする手間がなくなる。模型は「塗ってるとき」とか「貼ってるとき」とかが面白いのであって、そのための段取りとか後処理は最大限にラクしたいじゃないですか。あ、塗料がなくなったら鉄球は救出して溶剤で洗えば再利用できる。エコじゃ〜。

で、直径6mmのを大量に安く手に入れたいと思ったあなた。私は今年の正月の暇な時間を使ってアマゾンの奥地を彷徨い、1個あたりの単価が一番安いやつを探しておきました。みなさんも鉄球を手に入れ、塗料をガッシガシかき混ぜることで時短、資材の節約、手間の軽減をして、プラモライフをより高速に、ハイクオリティにしていこうではありませんか。じゃあね!!
※追記 スチールは錆びる、ステンレスにも品質に左右されるなど、条件が異なります。とくに水性塗料ではトラブルが多い傾向にあるので、ガラス玉を使うなどの方法が推奨されます。品質、材質自体が明記されていない場合は自己責任でお試しください(本記事で扱っているものは空気中で放置していても錆は発生していませんし、長期使用による塗料の変質も発生していないことを確認のうえで執筆しています)。GSIクレオスさんから発売されている塗料用の攪拌球もありますので、そちらもご参照ください。