アオシマ製「世界でいちばん有名なとうふ運搬車」のプラモデルはシールでパンダな仕上がりです。

 シール!シールで来たか!そうか……ということで、アオシマの接着剤いらずなカーモデルとしていまや猛烈に市民権を得つつある。「ザ・スナップ」シリーズ最新作、トヨタAE86 トレノの箱を開けたわけです。もうわざわざイチから説明しませんけど、ハチロクって言ったらとうふを運ぶパンダトレノですよね。アオシマのザ・スナップにはツートンカラーの車がこれまでなかったので、「白黒のツートンカラーをどうやって表現するのかな?」とやや気になってたんすよ。

 ボディの下半分を黒いプラスチックにしたりして!と思ってたらボディは真っ白!そして適宜シールを貼って黒い部分を再現してちょ、というプラモになっていました。なるほど、まあそうなるよね。あとリトラクタブルライトの切り欠きとか前後のバンパー部分が別パーツになっているのがわかります。なるほどなるほど。これは「いつもどおり」の感覚でイケそうだ。

 ダッシュボードと両サイドを折り曲げて立ち上げるとバスタブ状に組み上がる内装パーツもザ・スナップシリーズではおなじみ。ここも「いつもどおりだね〜」と思いながら組みます。とは言え、真ん中のエアコン吹出口がわざわざ別パーツだったり、なんかほんの少しだけ気合が入っているような気がする……。

 ていうかキミ、なんかパーツ多くね?写真はもうひとつのカラバリ、赤黒の「ハイフラッシュツートン」の全パーツですが、やたらめったらランナーがある。組み立ても中盤を過ぎてくるとボディとシャーシを結合する仕組みもいままでのザ・スナップシリーズとはちょっと違うので「お、いつもとちょっと違うな?」とワンダーランドに突入し始めます。

 そしてこのプラモのいちばんのクライマックスがここ!「リトラクタブルライトは開閉どちらかを選択せよ」という指示が出現します。うわ〜、これは悩む。完成後もパカパカ動かせる……ではなく、さらに「差し替えてどっちにもできる」でもなく、「どっちかを選ぶ!」というこの後戻りしにくい感じ。年少者にも必ず訪れる人生の岐路!オレは……オレは……。

 右がアオシマ製パンダトレノ、左がMONOのパンダトレノ(ボディは塗装済みでリトラクタブルライトはパカパカの可動式だがアオシマのよりちょっと高い!)。白黒ツートンをどう表現するか、リトラクタブルライトをどうするか。同じモチーフでも違うアプローチがあり、組む過程で「ヌヌヌ」と悩むところがある。だからといってそれは苦渋の決断ではなく、甘美な前進なんですよね(今回はあえて「実車ではできないウインク状態」で組んでますけど!)。

 シール貼ってよし、いやいやそれなら自分で塗るぜもよし、リトラクタブルライトの選択で痺れるアオシマのパンダトレノ。「ザ・スナップ=安くてゆるいプラモ」という印象を跳ね返す、ちょっとクールで突っぱねるような態度に「アオシマ、やっぱり峠を走るとなるとちょっと辛口で来るんだな……」というなんとも言えない納得感を味わいました。みなさんも、ぜひ。

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からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。