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配線の終わりが、始まりを知らせる最高のプラモデル/マシーネンクリーガー 陸戦ガンス

 Webセミナーだとかインターネット生配信。凝れば凝るほど機材が増えて、「パソコンのケーブルを指す穴が全部埋まるぞ!」みたいなことになります。配信のためにカメラを始めとしたいろんな機材をPCに全部接続。「え、今日はスイッチャーを使うんですか……」なんて日もありました。全部をつなぎ合わせてそれぞれがちゃんと機能しているのかチェックをしたら、準備はOKです。ごちゃごちゃした機材を見て「なんか本格的で良い!」と言ってくれる他部署のおじさんの気持ち、ちょっとわかります。

 いろんな機材が接続されていて、カッコいい! という魅力に近いものが、マシーネンクリーガーのガンスにはあると思います。その場その場で調達したパーツが多少強引にくっついているような雰囲気も良い。そういう感じがガンスなんだなと理解するとパーツの合いが少しクセがあったりとか、説明書の先の工程を読んで「あ、ここにつけるのね」と接着箇所を確認する時間がものすごい楽しくなります。

 それでいて、頭なら頭、身体なら身体、といった具合にそれぞれのユニットがしっかりと魅力的。特に脚はヤバいですね。鳥の脚のように人間と逆に曲がった構造を作っているときの楽しさ。ルナガンスを作ってからすぐに作り始めた陸戦ガンスですが、二回目でも脚が完成したときの感動は変わりませんでした。

 すでに兄弟のルナガンスを作ったことがあるので「ああ、ここが陸戦だと違うのね」という、理解もたやすい。重力下での戦闘ということで宇宙を駆け回る為のユニットがミサイルポッドと分厚い追加装甲に入れ替わっています。攻撃性の高いガンスという感じでしょうか。一部をそっくり入れ替えることで、用途を変えてしまうという程よい使いまわし感から、低コストで成果を上げるという目的が伝わり、最高です。

 ちぐはぐなパーツたちを最後に一気にまとめてしまうのが、ケーブルとコイルスプリング。頭や身体、脚をつなぐようなデザインになっていて、各所をつないで説得力を持たせる力業。こういうまとめ方があるのかと感心しました。そして、この配線を行う感じ、生配信の準備と全く同じなんですよね。

 カメラやマイク、スイッチャーなどをケーブルでつないでインフラ周りを整えて「さ、リハーサル始めますか」というような、終わりが始まりであるという瞬間をまさかプラモデルで味わうことになるとは考えもしませんでした。「完成しているのに、始まりを感じさせるプラモデルって最高だな」と思いながら、一生懸命ケーブルをつないだあとに机の上に無造作に置かれた陸戦ガンスをしばらく眺めていました。

<a href="/author/crisci4mens/">クリスチ</a>
クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。

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