指示通りの破壊にプラモデルのヤバさを感じた日/ウェーブのルナガンス。

 ルナガンスはなかなか無塗装の姿を拝むことができないから、自分で作るしかないなと思っていた。

 ルナガンスのランナータグには「NEU SPOTTER」「KRÖTE」「GANS」「GANS SPACE TYPE」と4つの名前が書いてあって、それぞれのパーツを組み合わせて作るということがわかる。自ずとミキシングモデルに取り組むことになるようなキット構成だ。ノイスポッターの頭部とクレーテのボディにルナガンスのパーツをくっつけるという感じで、それそぞれのモジュールを組み合わせてひとつの兵器が出来上がる文脈は実際の機械の開発っぽいし、それをはっきりと把握できるのが面白いなと思った。

 それにしても驚いたのは全く知らない形のプラモデルを作ることの楽しさだ。 全貌がなかなか見えないままに、それらしいパーツをガシガシと組み合わせていく。そうすると、急にヤバい塊が出来上がる。スプリングコイルをつなぎ合わせる作業もあるせいで、そのヤバさが加速していく感じ。こんなプラモデルもあるんだ……と本当に驚いた。

 その中でも一番グッと来たのは、脚の付け根の部分だ。ここは、パーツをまるごとカットする。説明書にはカッターのマークが描かれているけど、本能的にニッパーの刃をぐいっと入れた。このときの「うわぁ、パーツを破壊している」という感覚で頭がゾクゾクし、マジで最高だった。そのまま何度も刃を入れて、指でへし折ってもぎ取ってしまう。こんなにもパーツをめちゃくちゃにしたことがあっただろうか。しかも、誰かに教わるわけでもなく、いちばん効率の良い方法を実行した。でも、これは組み立てるための指示どおりなのだ。

 そんな「許された破壊」を終えたあとの組立作業は本当に楽しかった。ランナーからパーツを切り離す作業も詰まるところは破壊と組み立てなのだということがよくわかった。自分で壊して、自分で組み立てる。そうして完成していく。これが、プラモデルなのか。

 絶対無理だと思っていた、むき出しのフレームがかっこいい脚も気づいたら出来上がっていた。「プラモデルって自分で組み立てるんだ」という意識がすごく強くなったせいか、めちゃくちゃプラモデルがうまくなった気がする。それに、完成への思い入れも強かった。出来上がったルナガンスは、マシーネンという世界を抜きにしてもかっこいいメカ……というかプラスチックの構造物という感じで、とても気に入った。

<a href="/author/crisci4mens/">クリスチ</a>
クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。