ハセガワの三笠プラモで締めくくる「来た見た買った」の週末旅行。

 気ままにぶらっと旅に出たいと思って、京急に飛び乗った。ビジネスホテルを適当に押さえて横須賀中央で降りる。駅前の飲み屋街だけを中途半端に知っている、でもほとんど知らない土地だ。数駅離れた居酒屋で刺し身と日本酒を堪能して、英語だらけの盛り場をウロウロするとまるで外国に来たみたいだなとなんだか気分が上がる。お目当ては特にないのけど、せっかく横須賀に来たのならと三笠公園に行く。ここに来るのは3度目だと思うが、やはりその威容は胸を打つものがある。

 三笠の来歴はググればいくらでも出てくるけど、昔『月刊モデルグラフィックス』の巻頭特集で読んだ文章が頭から離れない。一般庶民はロシアのことはおろか海の外のことなどほとんど知らないし、家にはガスも電気も水道も来ていない時代に、遠くイリギスから最新最強の超兵器がやってきて、日本海軍の旗艦になる。今の感覚で言うと、三笠とはほとんどガンダムみたいなもんだったのだ……と書いてあった。

 いま見れば三笠は地面に固定されてなんとも古めかしい姿だし、本当に戦っていた頃の姿は殆どとどめていない。言ってみれば復元模型みたいなもんだ。そういう意味においては、いま横須賀にある三笠は「実物大ガンダム」と同じようなモニュメントだし、日露戦争も宇宙戦争も、同じくらいのリアリティで過去と未来の等距離にあるような気がする。

 横須賀中央の駅前、三笠ビル商店街の入り口にも大きな三笠の模型が飾られている。ハセガワの三笠、そういえば作ったことないなぁと思いながらヨドバシカメラの店頭受取で注文。京急の快特でサーッと都内に戻りながら、頼んだばかりのプラモデルのハコを店員さんから受け取る。思ったよりも大きい箱にちょっと面食らいながら、家でそっと開けてみる。

 1/700の艦船模型にしては小さい部類だけど、その気合の入り方に驚く。2016年に開発されたシャキシャキのキットなので、100年以上前の船なれどプラモデルの構成としては最新の部類だ。教科書で読んだ日露戦争の知識だけでは「よし作ろう!」と思えなかった三笠だけど、ぶらっと小旅行をした手土産であると同時に、やっぱり実物大のホンモノを眺めたあとだと意欲がもりもり湧いてくる。どこがどんなふうに見えたかがなんとなく記憶のなかにあるうちに、ピシッと組んで飾ろう。

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からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。