星に包まれて寝ようと買った家庭用プラネタリウム、眼鏡を外して天井を見たらぼやけて星はひとつも見えませんでした。
さて、最近、寝室の壁紙を交換する機会に恵まれ、何とはなしに落ち着くかなと思いベッドに一番近い一面を青にしてみました。壁紙の効果は絶大です、強度の近視の私でも寝ながら青だと分かります。
青はいいですね。空であり、海であり、地球であり。海か……、船でも浮かべたらもっと海なのでは?という事で壁に船を浮かべて寝室を海にしてやりましょう。
船を組んでいきますよ。シールズモデルズさんの1/700三笠にします。坂の上の雲読んで以来戦艦三笠が一番好きな船なんですよね。『アズールレーン』も三笠実装で始めましたしね。実際に記念艦として残されているのもよいです。実物が現存しているものをプラモとして手に取れるというのはなかなかオツです。1/700スケールではハセガワからも発売されていますが、ここは先発のシールズモデル製プラモデルで行きます。ボックスアートは高荷義之先生。この箱を飾っとくのが一番かっこいい気がするという気持ちを脇に開封。
ささっと作っていきます。しかし見てくださいこの説明書。どのパーツが何なのかをこれでもかと教えてくれている。米粒より小さいこのよくわからん棒状のパーツがサーチライトなのだな、と解像度が上がっていく。星の光すらぼやけた僕の目が探照灯の光を捉えた瞬間です。
塗装も終えて、さて、完成。塗り分けは筆塗り仕上げでお気楽艦船プラモ。早速海に浮かべていきます。艦底部に壁にさす「かけまくり ハイパーピンS」に合わせた穴を適当に開けておきました。かけまくりハイパーピン。なんてかっこいい商品名。ふふふ、かけまくってやるからな。
艦艇に空けた穴間の長さを測って、同じ長さで壁にぶっすりと。かけまくっていきましょう。かけまくりハイパーピンはT字型になっているので穴の形と厚さをちょっと工作してあげれば安定しやすい気がして選びました。
設置完了。おお、素敵……。寝室の海はおれの海……。壁にプラモが掛かっているっちゅーだけでも中々面白いのですが、やっぱり寝たときの目線ですね。子供の頃、車や電車のおもちゃを寝そべって同じ高さで見ていた感覚。誰に教えられるでもなく遺伝子に染み付いている臨場感あふれる鑑賞法。ベッドに寝転がって壁に近づくとそんな景色で見えるのが最高ですね。
頭側の白い壁も雲海のようだとみれば、飛行機模型も水平に吊るのではなく、尾翼で垂直に吊ってみても楽しそうですね。視点を変えればうんぬんかんぬんとはよく言われますが、物理的に鑑賞する視点を変えてみると、まだまだ面白さが生まれてきます。
寝室の星は見えずとも、見上げる私は今日限り。今日から三笠船首の御紋章が私の寝室の一番星です。眼鏡を外せばぼやけるのは変わらないのでは?と聞かれれば、これは蜃気楼のジオラマですと視点を変えて回答することとしましょう。
16の頃に別れたプラモデルと36で再会した82年生まれ。