ありえんデカいティラノサウルスのプラモデルに受け止めてもらう夏のジュラシック気分。

 『ジュラシックワールド 新たなる支配者』を観てきました。ジュラシックワールド3部作の完結編、とても素晴らしかったです。大画面でみる恐竜の迫力。映画って素晴らしいですね。

 こんなジュラシック気分の夏はその気分に素直に従うほかありません。恐竜は夏の季語なのです。どんな気分でも色々解釈すれば大体受け止めてくれるのがプラモデルのいいところ。インプットされた映画や小説をプラモデルという形でアウトプットする。作品の円環に自分も入り込めたような妄想、思い込み。これがとっても楽しいのです。

 お手頃価格のタミヤの旧恐竜シリーズ、ジオラマ付きでうれしい同じくタミヤの情景セット、バンダイの化石も最新の研究結果でたまらないし、フジミの自由研究シリーズのデフォルメは愛でるのにぴったりです。

 しかしここはひとつ、この高まったジュラシック気分を受け止めてくれる物理的な大きさがあるプラモデル。オーロラ社の金型、アトランティス発売の1/13ティラノサウルスに登場してもらうことにしましょう。1975年に発売され、その後オーロラ社が倒産した後も色々なメーカーから同じ金型で発売されているプラモデルです。ここ10年くらいだとアトランティスとレベルから再販されているようです。

 では早速箱を開けて中身を確認していきま……でかい!体の半分でこの大きさ。足の接続穴なんてポンデリングと同じですよ。太ももでドーナツ揚げてんのかい。それもそのはず、1/13スケールってば完成すると1mにもなろうかという大きさのプラモデルです。固定資産税払わなくて大丈夫ですか。

 さらに見てください、この素敵な色。この鮮やかなオレンジ。恐竜のプラモデルを販売しようというときに成型色にこの色を選べる精神。なんと素晴らしきジュラシックセンス。ついでに目と牙は蓄光素材です。もうあまりにかっこいいので、成型色そのままで行くこととしましょう。なに、塗りたくなったらその時に塗ればいいのです。(※同じ金型で各社から発売されているといいましたが、会社によって成型色が違います)

 バチバチと組み立てていきます。パーツは大きめの少なめ。50にも満たないパーツ数でどんどん形になっていくティラノ。

 最も複雑な14パーツを注ぎ込んだ頭部!ちょっとしたマフラーになりそうな尻尾!ほとんど鈍器の脚!さすがにちょっと小さい手!

 大きいプラモデルを作ることでしか湧いてこない感情があります。子供のころ、実物大くらい大きく感じた1/60ガンダムも、今となっては少し大きいな、で終わってしまうつまらなくなった大人の私。それでもこのティラノはただひたすらに笑ってしまう。作り終わったらどこに飾ればいいのかなんてひとまず考えない。自分の手で、1メートル近いものを生み出す快感。本当にたまりません。1/32ランカスターでも、1/144ネオ・ジオングでも、1/20バルキリーでも、1/200大和でもいいんです。自分の手に余るものが出来ていく過程、大人になってからぜひ、再び味わってほしい。

 あっという間に完成。動かせるのがうれしいですね。デフォルメされたデザインもあって古きトイ感のある良きプラモデルです。

 40年以上も前のものなので、現在の研究とは違い、曲がった尻尾、起き上がっている身体、獲物を掴めそうな頑強な手。スクリーンで見たティラノとは違いますが、子供の頃、夢見た恐竜の王がここにいます。

いち
いち

16の頃に別れたプラモデルと36で再会した82年生まれ。