
モササウルスって何頭身?/バンダイスピリッツのプラモデルで知るモササウルスの話。
▲モササウルスの最初の化石が発見されてから、来年でなんと260年になります。モササウルス属のアイデンティティたる密に並んだ足ヒレの骨と、近年の研究成果を踏まえて復元された尾ビレの骨が並んだランナーの一角に、260年の歴史が詰まっています。
夏です。恐竜は夏の季語なので(要出典)、夏休みシーズンに向けて恐竜博の準備が各地で始まっています。夏は水陸両用モビルスーツのプラモデルが発売されるという俗説もありますが、バンダイスピリッツがプラノサウルスシリーズ第4弾として送り込んできたのがモササウルスです。モササウルスが恐竜ではないという話はパッケージにも説明書にも書いてあるので、ここではやめておきましょう。
>バンダイスピリッツ プラノサウルスシリーズ
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モササウルスといえば、怪獣すれすれのサイズ・デザインを引っ提げて映画『ジュラシック・ワールド』に出演するなりティラノサウルスからいいところをかっさらっていったりで、近年の「恐竜人気ランキング」だと相当な上位にランクインしています。第4弾にしてプラノサウルスのラインナップに割り込んできたのもそのあたりと関係がありそうですが、本キットはあくまで“実在したモチーフ”に寄り添って作られているようです。
監督:コリン・トレヴォロウ, プロデュース:フランク・マーシャル, プロデュース:パトリック・クローリー, Writer:リック・ジャッファ, Writer:アマンダ・シルヴァー, Writer:デレク・コノリー, Writer:コリン・トレヴォロウ, 出演:クリス・プラット, 出演:ブライス・ダラス・ハワード, 出演:ヴィンセント・ドノフリオ, 出演:タイ・シンプキンス, 出演:ニック・ロビンソン, 出演:オマール・シー, 出演:B・D・ウォン, 出演:イルファン・カーン
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▲モササウルス類とひとくちに言っても色々なやつがいますが、紛れもないモササウルス・ホフマンニです。シリーズの他キットでは省略されていた「強膜輪」という眼球を支える骨まで造型されており、やたら目力があります。
前後のヒレなど、いかにも組み間違えそうなパーツがいくつか見られますが、ボールジョイントの径が変えてあったりと、キット側の対策は万全です。あっという間に、全長30cmにおよぶ骨格が姿を現します。
▲シリーズ第1弾のティラノサウルスは1/50スケールくらいのようですが、モササウルスは既知の最大個体(長さ1.7mの下顎の化石)から換算するとちょうど1/43スケールのようです。
可動関節を仕込む都合や金型の抜きの問題で省略された部分はさておき、本キットはモササウルス・ホフマンニの骨格の形状の再現にがっつり重点を置いているようです。プラノサウルスのシリーズ第1弾、第2弾でみられた“バンダイの考える恐竜のキャラクター性”を強調するようなデフォルメの気配は微塵もみられません。先日発売がアナウンスされた第5弾のスピノサウルス、第6弾のアンキロサウルスも“実在するモチーフの形状の再現”に重きを置いているらしく、シリーズ全体の方向性が変わってきてもいるようです。
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▲ウロコのディテールひとつとっても、同シリーズのこれまでのものとは違ったつくりになっています。整然と並んだ菱形の鱗は、恐竜には見られないものです。
“モチーフの形状の再現”に重きを置いているらしいとはいえ、モササウルス・ホフマンニの全身骨格は今日までの260年間、1体も見つかっていません。各パーツの形態は比較的よくわかっている一方で、全体をつなぎ合わせてどうなるのかは近縁種が頼りです。260年におよぶ研究の歴史の中で練り上げられた復元という哲学の“今”を、バンダイスピリッツの哲学に則って立体化したものがここにあります。
▲ウェーブのフタバスズキリュウと。かたやノンスケール(1/43相当)、かたや1/35スケールですが、小柄なモササウルスだと思えばこんなディスプレイもアリ。
『ジュラシック・ワールド』劇中ではとてつもないサイズで描写されていたモササウルスですが、説明書には「全長最大17m」と、劇中描写と比べればだいぶ控えめな数字が並んでいます。モササウルス・ホフマンニの最大個体の化石は長さ1.7mの下顎なので、つまり10頭身ほどと想定したうえでの推定全長です。では、哲学の産物──つまり“実在するモチーフの形状”の再現に重きを置いたらしい本キットは、果たして何頭身で復元されているのでしょうか。
「つくる。だから発見がある!恐竜を骨格から組み立てろ!」と、パッケージの言葉がひたすら煽ってきます。
我々はただひとこと、「出来らあっ!」と返してやりましょう。最初の発見から260年が過ぎようとしている今、モササウルスを知り尽くすチャンスがみなさんの手元にも訪れようとしています。
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1994年生まれ。恐竜の化石から骨格図を描き起こしてごはんを食べています。月刊ホビージャパンにて「プラノサウルス復元プロジェクト」連載中。「学研の図鑑LIVE エクストリーム ティラノサウルス」を半分くらい執筆。著書に「恐竜のきほん: 大量絶滅はなぜ起きた? 化石と地層から何がわかる? 進化を読み解く恐竜の話」、「ディノペディア Dinopedia: 恐竜好きのためのイラスト大百科」、「新・恐竜骨格図集」。イラスト展示制作に「福井県立恐竜博物館」、「むかわ町穂別恐竜博物館」、「ポケモン化石博物館」ほか多数。