「戦車って戦うためにこんなに色々なものを積んでるの……大砲とか銃とかだけじゃないんだね」
戦車模型を初めて組んだ時、戦車にペタペタとなんだかよく分からない棒とか木の彫刻が入ったパーツを多数貼ることに衝撃を覚えたものです。
そのようなパーツを「車外装備品(On-Vehicle Materialの頭文字を取ってOVMと言うこともあります)」なんて言ったりします。この車外装備品にスポットを当てたプラモがタミヤから「IV号戦車 車外装備品セット」と言う名で発売されています。以前下のリンク記事で紹介したIV号戦車J型でセットされた車外装備品のランナーを単品で発売した物です。
1994年に完全リニューアルを果たしたIV号戦車J型内に入ったこのランナーは好評となり「車外装備品セット」として単品販売されます。このパーツの登場で、IV号戦車J型以前に発売されてきた、IV号戦車やIV号戦車系列のバリエーション車両をお手軽にアップデートできるようになったんですね。
このプラモ、パーツだけが主役ではありません。袋の中はダブル主役!! 名前や使用方法などがイラストで解説された説明書が付くのです。これを読むだけで、戦車模型の見え方が大きく変わります。
イラストで解説されたものとランナーをにらめっこしているだけで、楽しい時間が過ごせます。車外装備品は各国の戦車で形状は違えど、同じような役割の物が装備されていたりします。ですので、このIV号戦車の車外装備品が分かると、他国の戦車模型を作った時に取り付ける車外装備品の役割もだいたいイメージすることができます。だから戦車模型が昨日よりクリアに見えてくるようになるんですね!
現在のタミヤの戦車模型には、標準でこのようなレベルの車外装備品がセットされています。だからこの単品プラモを手に取る人は、今は少ないかもしれません。
でも、こうやってきれいなパーツと多くの人がそのパーツを理解できるようになれる説明書が入った「IV号戦車 車外装備品セット」は、戦車模型を見る楽しさを増幅させてくれるプラモとして今でも十分輝いていると思います。ぜひ手に取って、小さな小袋の中に詰め込まれた戦車模型のアクセサリーの世界を覗いてください!
1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)