知らず知らず、歩いてきた戦車道。そう!! 僕はいつも「赤」を戦車に塗っていたのだ……しかし……それはまるで肉に当たり前のように塩を振って下味をつけるかの行為でした。「オキサイドレッドは戦車下地色の定番だっぺよ~(無意識)」。その領域でした。もうね、今月のアーマーモデリングを読むと無意識で塗っていたゴリラレッドに、完全に意識が芽生えます。凄いよ……この特集は!! 戦車模型と「赤」が一気に仲良くなるんだ!! と言うことが分かり最高の読書タイムになりました。
ティーガーIをオキサイドレッド……いや、ピンクで塗りたくなります! そんな写真からスタートするのが本特集。「戦車模型の赤=オキサイドレッド」という括り。オキサイドレッドは、戦車のサビ止め塗料として使用されるもの。これを塗って、その上から迷彩色や単色が塗られていきます。その実際の工程をプラモにフィードバックして、塗装を楽しむことができるように「オキサイドレッド」と言う色が各メーカーから発売されているんですね。しかしその工程があるということばかりに囚われてしまい、「オキサイドレッド」を完全な下地色として僕は見過ぎていました。だからこそ戦車模型の「赤」の奥深さに何も気をとめていなかったんですね。
「アーマーモデリング」の今回の特集は、このオキサイドレッドを第二次大戦末期に見られるような物資不足&追い詰められたドイツ軍車両に見られるオキサイドレッドのままの車両作例や、定番の下地として扱う際のポイント、アクセントカラーとして各分に配置する時のポイントなど、目標とする仕上がりに合わせた「赤」との付き合い方が丁寧に解説されています。
そして、「アーマーモデリング」のスーパーバイザーを務める日本を代表する戦車模型モデラー・吉岡和哉さんにより「赤い戦車を塗るヒント」は必読!!! 読みながら「あ~~~~」って声が出ました。特に「チッピングした時、俺の赤はパッとしないな~」という悩みが2秒で解決してしまったので、これからのオキサイドレッド戦車模型ライフが華やぐことが確定しました。それだけでも早く新しいプラモが塗りたくなるのです
いつも同じ色で塗っていたオキサイドレッドをちょっと変えてみようと思わせてくれた今月の「アーマーモデリング」。そして赤を変えることで、周りの色もいつもと違う攻め方をしてみようかなとも思わせてくれました。
そしてこの特集号ではマックスファクトリーのプラモ「PLAMAX 鎌倉時代の鎧武者」を、手早く割とよく作れちゃう「低級技術指南」もお届け。モデルグラフィックスやアーマーモデリングの熱心な読者にはお馴染みのローガン梅本が、グルーヴ全開で鎌倉時代の戦車を塗り上げます(この武者は馬に乗った弓兵が馬上から降りた姿! まさに鎌倉時代の戦車なのだ)。爆笑不可避、プラモが作りたくなっちゃう言葉が満載の記事なので必読です。
そんなわけで暑い夏がさらに赤く熱くなっちゃうほど面白い今月のアーマーモデリング。エアコンの効いた涼しいお部屋で、お楽しみください!!! 早速赤い戦車塗ってみよう~~~!!
1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)