熱血の青、冷静の青/NAZCA コバルトバイオレットで塗るゲキリュウガー

 『元気爆発ガンバルガー』のゲキリュウガーがMODEROIDブランドで発売された。ハコを開けると飛び出る大量の小さなランナーたち。元気な黄色、元気な赤。ちょっと落ち着いた白とグレーと……青。その調子をあえて説明するなら、混じりけのない青に赤を少々、さらにごく僅かな黄色が入って少し彩度が落ちた青だ。

 青というのは難しい色だ。どんどん赤みを足していけば紫になり、どんどん黄色を足していけば緑になる。ほんの少しの色相の違いで印象が大きく変わる。案外気にしない人も多いんだけど、赤方向と黄色方向で青の性質はうんと異なって見える。

▲これがゲキリュウガーのプラスチックの色

 エルドランシリーズのアニメを見てみると、おそらくセルに塗られているのは案外スコンと抜けたほんの少しだけ赤みを帯びた青だ(今回のプラモ用CG画像や版権イラストでもそう見える)。しかし、当時の撮影や放送の技術によって彩度が落ちたり、あるいはオモチャのプラスチックや塗料に混ぜられた顔料の性能も相まって「エルドランシリーズのメカに似合うのはベタッとした青」という印象として刷り込まれているのかもしれない。

 タイトルに書いた「熱血の青」というのはつまり、当時の子供向けアニメや戦隊モノの巨大ロボで見た「どっしりとした青」に流れるコードなんじゃないかと思う。

▲わずかに色相が異なる、赤みの青をテストピースに塗る。

 NAZCAブランドで売られているコバルトバイオレットは、スコンと抜けた赤みの青だ。バイオレットというラベルを剥がしたら10人が10人「これは青だね」と言うだろう。ドシンした青、黄色みが入った青が子供向けトイに通底したイメージを彷彿とさせるなら、たとえば『ガンダム・センチネル』で用いられたコバルトブルーはつまり、「冷静の青」と言い換えられるかもしれない。澄んだ軽やかな青の気持ちよさがわかるほうが「オトナ」じゃん、という気分があったはずだ。

▲右がプラスチックのままの青。左がコバルトバイオレットを塗ったパーツ。

 「どっちが偉い」とか、色の優劣を付けるつもりはない。ただ、ゲキリュウガーのパーツに青みの赤を塗ると、途端に対象年齢がぐぐっと上がったように見えるのが面白い。プラスチックのツヤが少しだけ落ち着いたこともあり(写真に撮るとなかなか分かりづらい差異なのだけど……)、その佇まいは大きく変わる。

 組むだけでもしっかりと色再現が成されるゲキリュウガー。しかし、こうして目立つ三原色の色味を少しだけシフトさせると劇的にそのルックは変わる。自分のイメージに合わせて、模型店の塗料棚から素敵な青を探し出そう。ほんの少しの違いでも、貴方の個性は思った以上に発揮されるはずだ。

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からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。