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「ショップカーデカール」に導かれて40年前のプラモとがっちり握手を交わした日。/アオシマ 1/20 ライフステップバン

 「Gentlemen for Wheels」をどのカープラモに貼ろうか?そう思いながら模型屋の棚を眺めていると、1台の車が目にとまりました。アオシマ 1/20 ライフステップバンです。

 まんまるのライトに眉毛のようなウインカー、どことなく眠たそうな顔つきからは、肩肘張らない自然体という印象を受けます。スクエアなフォルムから漂う「働く車」感もナイス!ふむふむ、「ショップカーデカール」のイメージに合いそうだぞ。そう思いつつハコ側面の説明書きを眺めます。一体どんなキットなんだろう?

▲ 「昭和50年代に開発された金型」なんて言うから、謙遜かと思ったら…。

 どうやらこのキットは、40年以上前の金型を使っているようです。だけど、それは決して「古いからデキは勘弁してね!」というエクスキューズではありませんでした。「古いキットだからイマドキのキットとは色々違うけど、それは理念の違いであって、優劣じゃないのよ!」「オプションパーツもいっぱい付けたし、楽しんでね!」というメーカーからの熱いメッセージです。OK、しかと受け止めたぜ……。バンの荷室は俺なりのカーライフを詰め込むためにあるんだ。こいつと「ショップカー」の世界へドライブしよう!

▲ボディはバリなどもなく状態良好!

 とはいえ、古いってことは組みにくいんじゃないの?と警戒していたのですが、実際に組み立ててみるとパーツの合いは至って良好。シャーシまわりも、少ないパーツ数ですぐ形になります。

▲ ドライバーが付いてるなんて聞いてないよ!

 ハコのどこにも書かれていませんが、なんとドライバーのフィギュアが付属。また、カーコンポやポケバイ、ローラースケートなど、どれを使おうか悩むだけでも楽しくなる(そして少し時代を感じる)オプションパーツが盛りだくさん。その中から、今回はサーフボードとルーフキャリアを選んで使用しました。ショップカーデカールを使って、サーファーの愛車に仕上げます!

▲緑がかった絶妙なブルー。ツヤツヤに塗り上げられる光沢塗料です。

 ボディの塗装には、いつかカーモデルに塗りたいと思って買っておいた「ウォーカーダークブルー」を使用。実車の純正カラーには存在しないカラーリングですが、「サーファーの日常に寄り添い、潮風にさらされて傷んだボディを、オーナーが自らオールペン」と妄想。「海に似合うといいなぁ…」と思いながらプラモに塗料を吹き付ける僕の気持ちと、僕が妄想する「架空のオーナー」の愛車への思いがシンクロしていく様な錯覚を覚えます!

▲ボディサイドのウッドパネルや、白いツートンの屋根など、オーナーのカーライフをイメージしながらカスタム!

 この車を実際に誰かが所有していたら、どんな生活の中で、どんな使われ方をするんだろう?と、「架空のオーナー」を想像しながら作りあげたライフステップバン。その姿には、確かな生活の実感を込められた気がします。この車の製作を通して、実在しない、けれど実感をもった不思議な友達が一人増えた様な気分です。「可愛い車ですね!」そう声をかけたら、オーナーの彼はきっと、尽きない愛車との思い出を語ってくれる事でしょう。

ゼブラ
ゼブラ

1995年生まれの会社員。模型を通して実物の構造や質感を想像すること、黙々と手を動かして着実に完成に向かっていく過程が好きです。

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