最新記事やプラモデル情報を毎日お届け!
follow on Xをフォロー!

「シリーズ史上最大ボリューム」で迫る救急車のプラモデルが楽しい!/アオシマ 楽プラ ハイメディック

 乗りたくないけど人気のあるクルマ、救急車です。実物のトヨタ・ハイメディックはその名のとおりハイエースをベースに作られた救急車なのですが、アオシマの新キットは完全にゼロベースでハイメディックと向き合い、ねじ伏せ、接着剤や塗装といった要素抜きでも楽しめるよう考え抜いた設計を披露しています。組んでいる間のワクワク感は、同シリーズのクラウンパトカーを凌駕していると言っても過言ではありません。

 まずそのボリュームがすごい。コスト削減のためにツルツルのシャーシ裏を眺めると、RX-7(FD3S)と比べてこの幅、この長さ。ハイエースが大きいということは知っていても、こんなふうにフットプリントをダイレクトにほかのクルマと比較できるのはプラモデルならではの楽しみです。

 そして一体パーツとなったボディは透けのない光沢のあるホワイトで成型されており、これを自分で塗りなさいと言われたらそこそこのモデラーでも裸足で逃げ出す美しさ。ベース車よりもかさ増しされたルーフの前端にはLED赤色灯の内部構造が彫刻されていて「なるほどこんな配置であの高輝度と配光を実現しておるのか!」というフェティシズムを刺激してくれます。

 パトカーよりもゴージャスに光る救急車ですから、クリアーレッドのパーツも大盤振る舞い。指で掴むにはちょっとしんどい小さなパーツもありますが、ハメ合わせの硬さは適切に設定されているので組み付けるのに苦労することもありません。パーツギリギリにニッパーを入れてカットするとカチーンと切断痕が白くなりますので、少し離れたところで切ってからパーツギリギリをゆっくりと切る「2度切り」がオススメです。

 そしていちばん見たかったのが楽プラシリーズでおなじみとなっている「ダッシュボードと左右の内張りをパタパタ折りたたむ内装パーツ」です。運転席から後部の室内(ベッドもあるな!)までワンパーツで表現され、壁面の収納類までシャープな彫刻でものすごく実感があります。幸か不幸か救急車には3度ほど乗車したことがあるのですが、あのなんともいえない不安な気持ちすら思い起こさせるリアリティがここにある……。

 内装真っ黒なのはどうなんですか(実物はアイボリーが基調だよね)と思いましたが、運転席周りを除くウインドウは濃いスモークのプラスチックで成型されています。こちらもリアゲートと左右両サイドがひとまとまりのパーツになっているので、ボディの内側にバコンとハメればOK。内部を覗き込んでもよく見えない救急車の特徴がここでもうまいこと表現されているという寸法です。

 ボディにステッカーを貼ってクリアーレッドのパーツを取り付け、シャーシと内装を組み上げればゴールは間近。赤いラインや書き文字は透明シートに印刷、灯火類やステップ類は金属光沢の美しいホイルシールと使い分けられておりますが、透明シートのステッカーは少々伸びやすい素材を使っているのでラインや文字が曲がらないよう注意して貼りましょう。特にフロント〜サイドにまたがる赤ラインを水平かつお互いビシッとつながるように貼るのがこのプラモデルの要衝でございます。

 シャーシにボディをカチンと被せて完成。ちなみにアオシマのプラモデルらしく、車高はノーマルとローダウンが選べます……。ローダウンの救急車はいないでしょうけど、まあハイエースがバリエーションで発売されてカスタム仕様にする人もいるかも知れないし……と思ったらこれ完全にハイメディック専用のパーツだからバリエーション展開のことは考えていなさそうなんだよなぁ。

 パトカーに続き発売された楽プラシリーズのハイメディックは「はたらくくるま」を乗用車のカスタム仕様としてではなく、あくまでも最初からモチーフそのものが出来上がるよう専用設計になっているのがセールスポイントです。少ない手数でリアルな車両が組み上がり、どんな年齢層のユーザーにも一直線に突き刺さる色とカタチを届けてくれるのが眩しすぎる!
 続いて発売予定のパッカー車(ゴミ収集車ね)も最高に楽しみになってきたところではありますが、みなさんもはたらくくるま帝国のさらなる拡充のために本キットを手に入れて組みましょう。この路線、どんどん広がってほしいもんね!

からぱたのプロフィール

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

関連記事