蒼い日本機にときめいていた少年時代の宿題を、令和に提出できた話。「ニチモ 1/48 九九式軍偵察(襲撃)機」

▲美しいブルーで描かれた箱絵。絶対に手に取りたくなるプラモです

 子供の頃、私にとって模型店で輝いていたキットがありました。ニチモの「1/48 九九式軍偵察(襲撃)機」です。日本機には珍しいブルーの機体が書かれた箱絵は、とてもまぶしいものでした。
 しかし、小学生だった私にはお小遣い的にも技術的にも、ちょっと手が届かない憧れの存在だったのでした。

▲これが1975年生まれのお腹の中とは思えないほど、かっこいいディテールであふれています

 時は流れ、プラモデルを再開してしばらくしたころ、既に絶版となっているこのキットをフリマアプリで見つけ、「これは買わねば!!!」と思わず購入。
 勢いで買ったものの、これは私と同い年のキット……かれこれ50年近く前にリリースされたプラモです。古くて作るのが難しいかもしれない……そんな思いで完成させる自信がなく、数年間寝かせておりました。
 そんなある日、積みプラの下の方にあったこのキットと再会したのです! また手に取ったこのタイミングで、ここぞとばかり今回は「ともかく完成させる!」をテーマに製作を開始したのでした。

▲パーツ精度も十分。そしてこのアウトラインの美しさ。ニチモのオーパーツともいえるレジェンドプラモです

 始めてみるとこれが驚異のディテール!! 最新のキットでも省略されていることが多いエンジン架などの内部も再現されています。しかも精度も決して悪くないです。パチピタとまではいかなくとも、問題なく組みあがります。
 特にコクピット内部は「これは本当に50年近く前のキットなのか!?」と目を疑うレベルです。ともかく士の字にしてみても実に美しいアウトライン。垂直尾翼の動翼などは今にも動きそうです。びっしりと穿たれたリベットが少々大げさと言われたりするようですが、作っていて目にも楽しいですし、ヤスリをかけても簡単には消えたりしません。

▲今にも動きそうな動翼のディテール。さらに美しいリベットが刻まれています
▲塗装してみると、全体のリベットが花を咲かせたように胴体の表面を彩ります。とても美しい飛行機模型です

 当時の私の心をつかんだ箱絵のブルーに塗っていきます。基地で翼を休める雰囲気にしたかったので、パイロットは他のキットから持ってきて、パチリ。人が添えられるだけで物語が見えてきます。

 ちょっとだけ組みにくい箇所、ぶ厚いキャノピーなど、多少は気になる点がありますが、そこはそれ。だって私と同い年のキット。完成してみれば、最新キットにも劣らない佇まいながら、どこか懐かしい空気感を纏っている九九軍偵がそこにありました。
 遠い記憶の中にある、古い絶版キットも恐れずに組み上げてみると、「ようやく宿題をやり終えたな」と、キットに語り掛けられているような不思議な感動を味わうことができました。少年時代の輝きが今、私の目の前にあります。

Swordsman
Swordsman

仕事の合間に飛行機ばかり制作する1975年生まれのITコンサル。