年齢的にも『太陽の牙ダグラム』はビミョーにリアタイ勢じゃない僕。「なんかコクピットがキャノピーで覆われてるゴツゴツとしたロボがあるなあ」ぐらいのイメージしかなかったんですね子供の頃は。あとは模型屋でタカラ製のプラモを見かけてたぐらいで。ちゃんと見たのは二十歳前後ぐらいに模型サークルに入って年配のメンバーに「見なさい」と渡された大量のVHS。再放送の録画だったんですけど見ました。全75話。見る前から「ロボものじゃないから。政治劇だから」と言われていたものの、想像以上に重いストーリー展開。量産機としてワラワラと出てくる連邦軍側のコンバットアーマー(略が「CBアーマー」なのもいい)。敵も味方もイキイキとしたキャラクター達。なんとも魅力的な作品でした。
そんななか、まだギリギリ買えたタカラのキットを購入したりしたんですが、記憶にあるのがビッグフット。劇中で防寒装備として防寒シールドを装備した姿を見て「コレ布で作ったらリアルなんじゃないか?!」という放映当時も皆思ったことを実行しようとしつつ無理っぽいと感じてエポパテを盛りかけて放置した記憶なのですよね……。
さて、今回はそんな懐かしい記憶を辿りつつもキットは最新作。MAXFACTORYのダグラムプラモシリーズから防寒シールドを装備した1/72ビッグフットです。ソルティックHT128ビッグフットは複座型が特徴的な寒冷地仕様のCBアーマー。カラーリングも紫と白という寒そうなカラーリングですが、成型色ですでにそれを見て取れる感じですね。元々通常仕様のビッグフットはすでに発売済みなのですが、今回はこのパーツが付くわけです。
防寒シールドは言ってしまえば防寒服みたいなもの。布なのです。プラモデルで表現するにはガチの布やゴムでそれっぽく作るか、固定ポーズにするしかないやつ。同社製品で以前ソルティックH8ラウンドフェイサー軽量型、通称「パジャマソルティック」を出した時に「やってくれたなー!!?」とファンが歓喜したわけです(俺も作りました)、今回もやってくれました。
勿論このパーツを組み込む事でフル可動モデルだったビッグフットは完全固定モデルへとなる仕様。時代を逆行するプラモスタイルにむしろ感激するしかないやつですよこれは。
コクピットを組みたてたら次の工程がコレです。前後パッカーンです。この令和の時代にこれだけストイックなパーツ構成を見ることができるとはね…!
あっという間にこれですよ。胴体前後2パーツドーン、腕ドーン。動かない。でも連装リニアガンを両手で構え雪上地をズシズシと歩いてくる姿が見えてくるようじゃないですか…かっこええ…!
このキット、箱のみっちり具合からも分かるように通常仕様のビッグフットと防寒シールド装備の二種類を組み立て分けられるんですよ。なので胴体手足がまるっと余る!でも今回はこの防寒シールドの姿が作りたかったんだから残りのパーツは箱に入れてしまっておきましょうね……。そうはいかぬか。
はい、通常仕様も組みました。もちろんこちらは全身フル可動でかっこいいポーズ付けたい放題。デザインがシンプルなCBアーマーゆえに、可動範囲は少なそうにも見えます。しかし肩なんかは引き出し式になってるし、飛んだり跳ねたりするロボではないのでちゃーんとポーズを取らせることができます。やったね!
……でね。実は今回のウリは防寒シールドだけじゃないんですよ。TVアニメ本編を全部視聴済みの諸兄ならお馴染みのあの二人が付いてくるんです。1/72スケールのラコックとデスタン!マジかよ!
約25㎜という極小スケールなのに誰だか判別出来るのがすげえよ……速攻でプラバンで階段作ろうかと思ったもん。特にデスタンは拳銃を手にしたポーズなので色々汎用性がありそうですね。1/72でスニーキングごっことかできるぞ!
そんなこんなで若かりし頃に思い描いた防寒シールド装備のビッグフットを組んでみました。いやあ楽しいなあ!もちろんこの後塗装すればもっと楽しめるし、量産機なのでオリジナル塗装なんかもしてみてもいいかもですねー。
ところで防寒シールド装備で作るとまるっと余る胴体と両腕。もったいないなあと思いつつ寝っ転がしてみるとやられたCBアーマーにも見えない事はない。ジオラマにしろということか……!! 最後の最後まで楽しめるプラモでした。
1977年生まれ。戦車道とスピットファイア道を行き来する模型戦士。生まれ育ちは美濃の国、今はナニワ帝国の片隅でプラモデルを作る日々でございます。