兵士の塗り方ってひとつしか知らなくて、それは光源を設定してそれに沿うように明暗を塗り分けるという方法。私がプラモを作る場所から天井を見上げると、照明が右側にあるので、それに合わせる形で「正面を向いたときに右から左に光が当たっている」という設定で、兵士を含むフィギュアを塗ることが多い。
ICMの1/35 モロッコ グミエライフルズは4人の絡みが面白いキットで、ICMはこういう人間のみで構成される情景をプラモデルにするのがうまいと思う。それぞれを組み立て終わって「さぁ色を塗るぞ」と思ったときに困ったことに気がついた。
困ったことというのは、箱絵のように配置するには4人の向きがそれぞれ違うということだ。今までは「正面を向いたときにどう見えるか?」ということしか考えていなかったので、これが横向きになったり後ろ向きになったりすると相当面倒。かといって、この「光源設定塗り」以外にかっこよく塗る方法は知らない。
ぼんやりとベースの上に乗せた兵士達を見て「やっぱり4人の絡みがいいなー。コミュニケーションって感じがして。1つのチームみたいだ」と思ったときに気がついた。そう、4人の兵士をそれぞれ塗るのではなく、この状態でまとめて塗ってしまえば光源の設定も簡単にできるはず。
4人の向きをそのままに、両面テープを貼った長めの木材に乗せて、見るとなんだかいけそうな予感がする。背中が明るい人や、胸の方が明るい人と、それぞれが異なる明暗で塗られていくことに「え、これ大丈夫?」とドキドキしながら塗り進めていく。
共通の光源を設定して塗られた兵士たちは、カーリングのロコ・ソラーレのような一体感で目の前にチームとして現れた。とはいうものの、機械的に明暗を入れると怖くなりそうだったのが顔で、この辺に「プラモデルならではの整合性の取りかた」を感じることができて楽しかった。それに、一体感からくるドラマ性がそのままヴィネット(小さく切り詰められたジオラマ)作成への推進力にもなった。
ICMの「1/35 モロッコ グミエライフルズ」のように、4人のコミュニケーションを味わえるカーリングは3/19(土)から世界選手権が開催される。女子は中部電力が出場するが、こちらもロコ・ソラーレに負けず劣らずのチームで、なおかつイケイケムードのときの攻めていく感じは見ていて気持ちがいいものだ。
1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。