三連休は何をする。プラモを作る。ビールも飲みたい。どうせならビールを飲みながらプラモを作りたい。ポワポワになった頭で楽しい楽しいとプラモを作って、適当に疲れたところでゴロゴロしても、それが土曜ならばあと2日も休みがある。天国か。しかし、プラモを作りながら飲み物を飲む人ならみんなわかっていることがある。プラモ作りと冷たい飲み物の相性は、悪い。
なぜならプラモは大変におもしろい遊びなので、パーツをパチパチと切って切った跡をデザインナイフでカリカリしてパーツをひとつ慎重に貼り付けてほほうこれはカッコいいですねなどとと言っているうちにあっという間にものすごい時間が流れているのである。飲み物はぬるくなり、ぬるくなったビールからは炭酸が抜け、ぷしゅりと美味かったはずのビールがあっという間に飲めたもんじゃなくなっている。悲しい。
そこでこれだ。騙されたと思って今すぐポチってほしい。あなたは今年の12月に書くであろう「今年買って良かったものベスト10」というツイートやブログにこのアイテムを含めるはずだ。絶対に。少なくともオレはそうすることにした。
いわゆる断熱性に優れた真空タンブラーのフチにゴム製のスリーブをあしらったもの、それがサーモスの「保冷缶ホルダー」だ。直径は日本で製造される350ml缶や500ml缶に適合しており、スコーっと気持ちいい摩擦音を立てながら缶を差し込んでカシュっとプルタブを起こし、あとはコココ……と飲むだけである。驚くなかれ、このアイテムを使うとその飲み物は信じられないほど冷たい状態が持続する。
炭酸は冷たければ冷たいほど液体に溶ける性質があるため、冷たいままのビールからはなかなか気が抜けない。コーラもスプライトも同様である。そう、これは酒に限らず冷たい缶飲料であればなんだってヒエヒエ&シュワシュワのままキープしてくれる魔法の道具なのである。つい先日私はこれを買い、毎日使い、そして毎日驚いている。例えば飲みさしのまま外出して、帰宅して思い出したように飲んでもまだ冷たいのだ。
素晴らしいのは、ぬるくなってしまうから急いで飲もう!と思わなくなったことである。そもそもそう思っていたことにすら自分では気がついていなかったのだが、日本のビールというのはカチンカチンに冷えていることが前提に味が決められていることが多いため、ぬるくなったら困るとゴクリズビリと一気に飲んでああ足りない、次の缶に参りましょう……からの大量飲酒で泥酔に繋がることも少なくない。しかしこの保冷缶ホルダーを入手してからは、うまみの継続時間が圧倒的に伸びたため、急いで飲むということをやめた。500ml缶1本あれば長いことプラモを楽しむことができてしまうから……。
デメリットとしては、保冷缶ホルダー自体が100g程度の重量を持つため飲み物の残量が直感的にわからないことが挙げられる。「まだあるな、まだもうフタクチはイケるな……」という重さ感覚でぐいと呷ると、中身はすでにカラだった……ということもしばしばだ。しかしその保冷性能は恐るべきものであり、上記の欠点を補って余りある。これから気温がグイグイ上がる季節。アルコールもソフトドリンクも、キンキン状態をキープして、最高の休日モデリングや晩酌モデリングに勤しもうではないか。
模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。