迷彩の呼び声が聞こえた日。/ハセガワ F-104のプラモを塗る

 自転車って一度乗り方を覚えるとずっと乗れるし、自転車の乗り方に関しても特に難しいとも思わないし、なんなら乗れなかった頃を忘れてしまうくらいの身体操作の一つだと思うのだけど、「こうすればすぐ乗れる」みたいな方法って今はあるのでしょうか。それにしても後ろで親が支えてくれながら漕ぎ進めていって、気づいたら手を放しているみたいなあの練習方法、怖いですよね。しかもそれで転ぶともう信じられない。子供にとっては大事な問題です。
 プラモデルにおける迷彩塗装も自転車のようなハードルの高さが感じられるもので、最後までやり遂げられる想像がつかないものでしたが、昨年の夏ころから飛行機を作っていると何度か「これは迷彩で塗った方がいいな」と思うことがあり、さらに翼の上に迷彩模様が見えるような感覚を覚えることがありました。

 筆塗りで挑戦してみると思ったより簡単に塗り分けられました。ただ、色味や筆のタッチによって境目がはっきりしすぎてしまったりアウトラインをなぞったような筆跡になるのはちょっと厄介。一度アウトラインを描いて塗る領域を決めて、塗ったあとはタッチを活かすようにもう一度塗る。そうすると、程よく風合いがそろってきて具合がよくなってきました。
 このあとさらに薄めた水色で全体を撫でていき、二色の色味を整えると、さらに具合が良なる。二色をタッチと共通の薄い色を重ねるという二つの方法でバランスをとっていく。

 やってみて思ったのは、フィギュアをはじめとした筆塗りの経験が「迷彩塗装って今なら塗れるのでは?」という挑戦したい気持ちにつながっていることが分かりましたし、自分で「これはいい」「これはダメ」と筆ムラをジャッジできるようになっていたり、色のバランスを整えることに意識が向いていることに気づけました。大雑把に言うとフィギュア塗装のように「色を決める、どこに塗るかを決める、塗った状態を評価する」のループなので、振り返れば「できなくはないかな」という感じですが、やろうって思うまでが長かった。
 もし、ある日突然「おし!迷彩を塗るぞ!」と私が思ったように何か新しいことにチャレンジする日があるのであれば、きっと自分の今までの経験がそのままスーッと生かされて出来上がるので、それはそれでその人らしい完成品ができて、楽しいと思います。私も今は迷彩のF-104は自分らしいものができたと満足しています。

クリスチ
クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。