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組める!塗れる!プラモデルで復活したヴァンピレラにぞっこんです。

 世はまさに美少女プラモ戦国時代!そんななか、動かないし色分けもナシ、しかしとびっきりにセクシーな女の子プラモが爆誕。2020年代にヴァンピレラが蘇ったというのだからこれは飛びつくしかありません!説明書がガッサガサの印刷だけど最新キットだから安心してくれよな。

 1970年頃に誕生したアメコミキャラ、ヴァンピレラ。それをアメリカのオーロラというメーカーが即座にプラモデルしたんですが(どんなプラモなのかはググってみればすぐに画像が出てきます。なかなかスゴイぞ)、今回はその伝説的な一品を日本のエクスプラスという会社がオマージュして現代的なポーズと彫刻でバシッとキメてきました。正直ヴァンピレラは人気キャラクターなので立体物は死ぬほどたくさん発売されているんですが、「プラモデル」という括でリバイバルをするのは初じゃないでしょうか。いやー、正直言ってめっちゃかわいい。「この顔で!?」と思わないように!女の子は確実にメイクで化けるからね。

 「可愛くしてよね」と筆を取るヴァンピレラがまたキュート。説明書には女の子キャラクターをゴージャスに仕上げるためのハウトゥもきっちり記載されています。お化粧の基本は陰影をしっかり出して鼻筋クッキリ、小顔に見せること。目の周りはバッチリアイシャドウやマスカラで濃いめカタメに仕上げましょう。

 それにしてもこのパーツですよ。塗装しやすい分割でめちゃくちゃ良い!腹筋の溝やおヘソ、背中のマッチョすぎない皮下脂肪を感じさせるアウトラインもいわゆる美少女フィギュアとは少し違う文脈の造形で見ていて楽しいですね。そして個人的にはどデカい骨盤につながることを予見させるウエストのラインがめちゃくちゃに好みです!好き!

 見てよこの脚!表面も半艶ですっごくいいんですよね。ほとんど人間の肌。塗ってしまうのがもったいないくらいのほんのり透けた感じや膝頭のデッサンに再度ウットリ。曲線だらけの合わせ目ですが、こういう有機物のプラモにしてはかなり合いがいいほうです(だって21世紀のプラモだし)。ぶっちゃけ正面から見るだけなら合わせ目消さなくてもそこまで目立たないし、あえてそういう痕跡を残してプラモライクに仕上げてもいいな、と思えます。律儀に合わせ目を消して組むのもよし。部分塗装でもそうとういい肌色なので、あなたの好みで仕上げてね!

 バングルや長く伸びたツメのディテールに注目!手指の表情も素敵ですし、ただ細いだけじゃなくてちょっとぷくっとした曲面で構成されているのが良いんじゃ。ゲートは少し太めなので頑丈なニッパーと後処理のためのデザインナイフを用意してくれ。

▲かわいいコウモリもいるよ

 組立説明書はこんな感じ。パッケージも含めて全部英語表記なのがイカすし、組み立てる順番とかはシカトして全体の構成がドカンと描いてあったり、髪の毛とか(3パーツあるんだけど)全部黒ベタでなんもわからんところとかが昔のアメリカのプラモに対するリスペクトに溢れています。素敵すぎる……。イマドキの新製品でこういうのが出てきたら面食らいますけど、こういう「文脈がちゃんとあれば後退しても納得できるどころかちょっとうれしい!」っていうの、素敵じゃないですか!

 絶対に可愛く塗りたいのでひとまず仮組み。全体の構成や造形をまじまじと眺めると、現在盛んに売られているPVC製完成品フィギュアの造形とか分割をよーく研究して作られたモデルだということがひしひしと伝わってきます。それらとどこが違うかと言えば、このすべらかな曲面が固くて接着できて削ったり塗ったりできる俺達の大好きなプラスチックでできているというところ!それだけで愛おしい!

 このプラモのスケールは1/8。ヒールを履いてるので身長は23cmくらい。ベースも付属していて、飾るとかなり存在感があります。こうやって見ると単色で彫像っぽくなってるのもいいですね。みんなも組もう。そして塗ろう。とってもキュートでどこか懐かしい佇まいのパッケージングでありながらパキパキの新キットが手に入る千載一遇のチャンスです。ぜひ!

からぱたのプロフィール

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

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