みるみるうちにそれらしくなる!プラモに入った「墓石」の塗装にチャレンジ。

▲墓を塗る!!!!

 墓を塗ることってそんなにないかもな!墓が入ったプラモを塗るときがきたらこの記事を思い出してください。こちらはエクスプラスのヴァンピレラ(かわいい)のディスプレイ用台座にパイルダーオンされる墓石です。メコメコした石らしい凹凸や「RIP」の文字がアメリカンな雰囲気ですが、繰り返し申し上げるとおりこちらは日本のメーカーが企画したプラモなんだよすごいでしょ。キットの全体像はこちらを読むべし。

 とりあえずまずは黒を塗ります。なぜかというと影色をちまちま塗っているのが面倒なのと、水性塗料の筆塗りをするときは黒い下地塗料が吹かれているとバリバリに塗りやすくなるから。
 写真ではシタデルカラーの目玉が飛び出すような値段のケイオスブラック(値段の理由は「異常な圧力で吐出され、どんな隙間にもみっちりと秒速で黒い塗料が入り込んでいく」という超スペックがあるから)を使っていますが、世の中には国産塗料メーカーの黒い缶入りサーフェイサーとかラッカー塗料のつや消し黒、もしくは瓶入りの黒いサーフェイサーを筆塗りするなどの手段があり、これは皆さんの好きに選べばいいと思います。

 さてこちらはシタデルカラーのメカニカス・スタンダードグレーという塗料ですが、こちらも皆さんお好きなグレーの塗料を使えばいいです。石の色の基準点をこれで決めるので、明るめの白っぽい石にするならもっと明るい色をスタート地点にしてもいいし、茶色っぽい花崗岩みたいにしたければそういう色を選ぶ。「石の色」という塗料はあんまり売られていないので、自分の好きな石の色を発見するのだ。プラモを塗る楽しさはそこから始まっているんだぜ。

 大きめの筆に塗料を取ったら、なんと贅沢なことにキッチンペーパーにすべてこすりつけてしまいます。カサカサ……。なぜこんなにもったいないことをするかというと、黒のうえにベターッとグレーを塗ると黒を塗った意味がなくなってしまうから。ほとんどキッチンペーパーに吸い取られ、筆にカスカスに残ったグレーの塗料を使うという寸法。これを絵画や模型の世界ではドライブラシと呼びます。筆の種類ではなく技法のことなので気をつけてくれよな。

 おもむろに黒い塗料の上を筆でゴシゴシと撫でます。割れ目に塗料が入り込まないくらいの塗料の量、力加減を会得してください。なおこの作業はめちゃくちゃに楽しい(なぜなら普通の塗料を割れ目に塗料が入り込まないように注意して塗るのは面倒なのに、これは適当にウゴウゴと筆を往復させているだけでなんだか風合いのある雰囲気になるからです。ガンプラのエッジとかにバキーッとハイライトを入れたりするのにもいいのですが、私は初めてドライブラシをしたときに楽しすぎて全体が薄グレーの高機動型ザクが完成しました)。

 全体がなんとなくグレーになった時点でもう相当に石っぽいわけですが、こういう洋風のディテールにはより強いコントラストがよく似合う。黄色人種の我々は慎ましく淡い陰影を礼賛し、アングロサクソンのみなさんはわりと彩度や明度がバキバキの立体物を好みます。彼らの模型を真似して、うんと明るい色でコントラストを付けても良いですね。
 今回はドーン・ストーンというちょっと明るいグレーでドライブラシを重ね、エッジの部分を明るくしました。まだおとなしいと思う人はほとんど白みたいな色で最後にカツーンと明るくすると、本当に絵画みたいな立体物になって楽しいです。

 なんだかちょっと清潔な感じになってしまいましたので、雰囲気で茶色いシャバシャバ塗料を重ねて土埃が蓄積したような風味を追加しました。こういうのは炒めものをしながら塩とか胡椒とかのあとにいきなり中華だしを加えるみたいなもんで、自分の好きな味とか「なんか足りないな」というのを思いつきで足してもいいのです。こういうことを繰り返しているうちに「自分の好きな味」……つまり、鉄板のレシピというのが身についてくるものなので。恐れずにドゥー・イットなのであります。

 同じくドライブラシで明暗のあるグリーンを草の彫刻に塗りつけて完成!墓地に佇むヴァンピレラちゃんが完成しましたとさ。そんじゃまた!

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からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。