

「今日の授業のテーマは、「卑弥呼は美人だった」でしょうか? です」。
小学3年生の時、この授業によって僕は歴史の面白さに目覚めました。小学3年生ながら、教室では「鏡があれだけ出土するのだから、相当自分に酔ってたはず……だから美人!」などその時代に出土したものなどから想像力を膨らませて、卑弥呼の容姿をみんなでイメージしました。卑弥呼が美人かどうかをみんなで探っていると、2〜3世紀の日本の姿が少しずつ見えてきます。そこでみんな気がつくんですね。「あ、先生は卑弥呼を調べることで当時の日本の姿をみんなに知ってほしかったんだ。これが本当のテーマなんだ」って。

今回ご紹介する「第二次世界大戦紳士録」はまさに「人」から歴史に触れていける素晴らしい1冊です。漫画家・ホリエカニコ氏により描かれる、ドイツ軍と日本軍の男たちの生き様を知ることで、その時代の空気感も感じることができます。難しい本を読む前に、ドイツ軍と日本軍のキーマンたちをこの1冊で知ると、あなたの中でイメージができると思います。その後で類書を読んだ時、きっとスポンジのように新しいことが吸収できると思います。


超イケメン紳士から漫画内ではコミカルなイラストに激変します。これによって紳士たちがいきなり僕らの身近な存在に感じられます。結構過激な内容でも、ギャグっぽく見せてしまうホリエカニコ氏のセンスが炸裂しまくり!! そして「こんな小ネタまで調べているの本当にすごいなぁ」と感嘆してしまう内容が各人物に盛り込まれており、楽しみながらその人物の定番イメージと本書ならではのホリエカニコ氏の漫画で示されたイメージをインプットすることができます。


敗戦国のドイツと日本の紳士たちだけに、悲しいクライマックスを迎えている人物も多数います。それ故になんだか距離をおきたくなるかもしれません。しかしそんな彼らの生き様をこうやってコミカル&シニカルにホリエカニコ氏が描いてくれた本書は手に取りやすく、僕たちと紳士の距離をとてつもなく近くしてくれると思います。僕は山口多聞に改めて興味が湧き、空母「飛龍」が作りたくなってきました。そして彼が飛龍と共に散ったミッドウェー海戦についても調べたくなっています。こうやって一つのイメージが複数の道を作ってくれるから歴史って面白いです。プラモも歴史も楽しみたくなる紳士の背中が満載の、「第二次世界大戦紳士録」。超オススメです。