塗り上げて楽しむF.S.S.造形の新スタンダード/ボークス製IMS最新作、オージェ・アルスキュルを深堀りレビュー!

 ボークスが贈る1/100スケールのプラスチックモデル最新作、オージェ・アルスキュルの予約は済ませましたか!?

 ということで、今回はテストショットを組み上げながら感じた興奮と最低限の塗装Tipsを交えながら、上に示したオージェ・バインダーを装備した姿にたどり着く旅路に皆さんをご招待します。それにしてもこのでっかいユニットがプラスチックで手に入るというのは本当にそれだけで楽しい&嬉しい大事件ですねぇ……。

 本作(通常版)のランナーは全部で4色。ソリッドカラーはそのままでも設定に近い仕上がりとなりますが、シルバーのプラスチックだけはそのままで金属光沢を演出することができません。ここがメッキ処理された「限定版」も同時発売となりますが、今回のテストショットには自分で塗装を施すことにします。

▲GSIクレオスのスーパーファインシルバー2の上から同社のガンクロームでオーバーペイントしています。

 ゲートはパーツの形状をしっかりと出すために、全体的にやや太めの印象。ニッパーでしっかりと切り取ってから、耐水性サンドペーパーやスポンジヤスリを駆使して追い込んでいくのがいいでしょう。今回はゴッドハンドの「神ヤス!」を各種使い分けてカット痕を極力平らに均しています。

 ボークスが推奨するファレホ(水性塗料)にも高輝度のシルバーは各種存在しますし、現代は光沢感のあるシルバー塗料が各社から群雄割拠といった趣で、みなさんも好きな色味、好きな輝きのシルバーを探し求めて見ましょう。オージェ・アルスキュルの高貴な輝きのために……。

 もうひとつ、プラスチックの成型色で再現されていないのが両肩を中心に配された赤です。目を惹くアクセントとなるのでぜひとも塗り分けたいところですが、下地がアイボリーのプラスチックであれば直接塗装してもしっかり発色します。簡単にツヤを出したければパーツの滑らかな表面をそのまま活かして塗ってしまうのも近道ですよ!

 組んでいて「ここはどうしようかな……」と少し悩んだのがオージェ・バインダーの内側に位置する「肩部側面内側装甲」です。三本爪のようなこのデザインは基部のメカ色とアイボリー、そしてフチの部分に赤が配されたデザインですが、とても巧妙な設計でみごとに一体成型になっています(このカタマリ感と深い彫刻はプラスチックモデル離れしたド迫力なのでぜひとも現物を見てもらいたい!)。

 この部分は完成後もかなりよく見えるので、ちょっとだけ時間をかけて塗り分け。とはいえ、マスキングラインはそこまで複雑ではありません。メカ色の部分はディテールを利用して面相筆の直塗りでクリア。赤い部分は細かく切ったマスキングテープを形状に合わせて貼り込んでからエアブラシ(もしくはスプレーでも可)で塗装するのが良いでしょう。

 ちなみに面が複雑に入り組んだ上部はオージェ・バインダーに挟まれてほとんど見えなくなりますから、マスキングが得意ではない、という人も焦らず恐れず、トライしてみましょう。少ない手間のわりには見栄えのするパーツなので、「ここはオレが塗ったんだ!」という満足感もひとしおです。

 このほか、腰部側面装甲と腰部背面装甲にも赤いラインが入ります。こちらもオージェ・アルスキュルの重要なアクセントになる場所ですが、基本的に直線的な塗り分けなので「難しい」というよりは「少しだけ忍耐力が必要」というタイプの塗装箇所になります。自分のスキルや完成後にどう眺めるかとじっくり相談しながら、自分のできる範囲で楽しんでみましょう!

 さあさあ、必要な塗り分けを終わらせたら組み立てです。主要な部位については前回の記事でお見せしましたが、ここからはお待ちかねの最終盤、オージェ・バインダーの取り付けです。この有機的な骨格と繊細な配管、シリンダーの彫刻がドカッとワンパーツなのも「美しい立ち姿とスピーディーな組み味」を象徴するナイスパーツですねぇ。

 自分で塗ったシルバーのパーツとメカ色のパーツが組み合わさり、とても広がりのある(かつ繊細なメカメカしさを湛えた)ユニットへと姿を変えていくさまは圧巻。まさにこのキットの大トロ、クライマックスの部分と言えます。

 大きく一体で成形された翼のようなバインダーを前後に取り付けると、かなり巨大なシルエットになります。プラスチックとはいえ厚みもそこそこあるため、結構な重量。これを取り付けるその前に、唯一このキットで過去製品と共通のパーツを紹介させてください……。

 そう、L.E.D.ミラージュ(及びK.O.G.)と共通のハンドパーツです。完成写真をなんとなく見ているだけでは気づかなかったのですが、この造形と分割はかなりグッと来たので改めてご紹介。各指の長さと上品な曲げ具合、そしてそれぞれに入れられたディテールを極力彫刻できるよう配置されたこのランナーからは、かなりの気迫を感じます。

 組み上がったハンドパーツ。この開き手は片手で6パーツから構成されておりますが、とくに親指の接着角度がパシッと決まったときに「うわっ!」と声が出てしまいました。接着式だからこそなせるジャストフィットな面同士のマリアージュをぜひとも味わってみてください。

 すべてのユニットを胴体に組み付けて、ついにオージェ・アルスキュルが完成!マスクはチンガードを装備したものも選択可となっており、武装も実剣と光剣の選択式。スタビライザーは収納状態と展開状態で差し替え可能です。展示スペースに合わせてどう仕上げるかいまから考えておきましょうね。

 美しい立ち姿のために剛性感あるパーツの一体化を大胆に推し進めながら、関節を可動/固定のどちらでも組めるようにしたことで巨大なオージェ・バインダーを装着した状態でもふらつくことなくディスプレイできます。さらに驚くべきは、バインダーの展開状態でもその設計思想がしっかりと機能することっ……!

 肩部の複数の装甲や内部フレームが複雑に絡み合い、それらが正しい位置関係でお互いをロックすることによってオージェ・バインダーが展開された姿勢をキープできます(ポリパーツの渋みのみによって保持されているわけではないことに注意!)。体幹をガッチリと接着して仕上げたおかげで、この状態でも撮影はなんら不安はありません。

 恐るべきボリュームでありながら、その本来の機能までをもしっかりと魅せるディスプレイができるよう配慮されたボークスのIMS オージェ・アルスキュル。ハンドパーツ以外はすべて完全新規金型で立体化された新時代のモーターヘッド立体物として、モデラーならばいちどは挑みたい内容であることは間違いありません。

 本アイテムはただいま好評予約受付中。少しでも気になった人は、以下リンクから確実にゲットしてください。みなさんも、ぜひ!

>ボークス IMS 1/100 オージェ・アルスキュル 商品サイト
ボークスホビー天国オンラインストア

■『ファイブスター物語』 オージェ・アルスキュル(通常版)
1/100 scale
4色成型インジェクションプラキット(ベージュ、ネイビー、パープル、シルバー)
全高252mm、全幅276mm、全長247mm、パーツ総数:367
原型制作:造形村F.S.S.プロジェクトチーム
価格 ¥9,680(税込)
10月30日~11月28日予約受付、12月25日お渡し予定 12月5日ホビーラウンド25先行発売
※完売となった場合、限定版と同スケジュールで第2次生産分の予約に切り替わります

※一部ランナーがシルバーメッキ仕様の「限定版」同時予約受付(ボークスGL/VS/VIP会員限定品)
価格 ¥12,110(税込)
※初回生産分は完売。第2次生産分を2022年1月10日まで予約受付、2022年2月19日お渡し予定

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からぱた

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。