スマホで!無料で!プラモを撮る!キレイな白背景写真を絶対にうまく撮影したい人のための写真調整必殺テク/モバイル版Lightroomで現像編

 3夜連続の「スマホで白背景の撮影」、セッティング編と撮影編は読みましたね?いよいよ写真を調整していきます。カメラが写し取ったものを、「自分にはこう見えている」「こんなふうに見えていたらカッコいいな」という写真に作り込んでいきます。

 写真の現像はめちゃくちゃ奥が深いし、正解はひとつではありません。光や色をコントロールしたり、形を変えることもできてしまいますが、今回は「Lightroomを手に入れたら、まずここだけは押さえておこうぜ!」とオレが独断と偏見で選んだところだけを自分の好みだけでシェアします。まずはこれをそのまま真似するか、参考にして自分だけのかっこいい写真を作ってください!そんじゃ行くぜ!

▲これが撮りっぱなしのデータ。左下と右下の背景がちょっと見切れているのと、白背景がほんの少しだけスモーキー。そして肝心の戦車がちょっと眠たい感じです。

 まずはLightroomで撮影した写真を呼び出します。普通のカメラアプリで撮影した写真も読み込んで調整することはできますが、かなり難しいです。上で紹介している「セッティング」と「撮影」の両方をクリアした写真を素材にすることを前提としているのでそのつもりで読んくださいね。

 なんだかマークのたくさんある編集画面が表示されますが、使うのは上の写真で囲った6つだけ。有料版と無料版でできることは違いますが、今回は無料版でも使える機能だけを紹介しますので安心してください。

 まずは写真の階調を決めます。全体の明るさだけでなく、一番明るいところと暗いところを決めたり影になっているところを立ち上げたり光りすぎているところを抑えたりとさまざまなことができます。太陽のマーク(=「ライト」)をタップすると左に6つのスライダーが出てきますね。今回は下の2つ、「白レベル」と「黒レベル」だけを使うことにします。

▲白レベルのスライダーを左右に動かしてみよう

 白背景ではこのスライダーがめっちゃ大事。背景が均一な白に見えるように調整してみてください。あんまり数字を上げすぎると被写体もビカーっと光ってきて、エッジと背景が溶けてしまうので要注意。画面を見ながらきれいに見えるよう調整してみてください。「キレイの数値」はやりたいことによって決まりますが、今回は白背景が白く見えるところ、としておきます。

 黒レベルは写真の黒い部分をどれくらい濃い黒にするかを決めます。あまり下げすぎると真っ黒になってディテールが見えなくなってしまいますが、ちょっとだけマイナス方向にスライダーを動かすと、画面全体がキリッと締まった感じになるのがわかるはずです。

▲白レベルを上げて背景スッキリ、黒レベルをちょっと下げて被写体クッキリ。

 つぎは温度計のマーク(=「カラー」)をタップします。これは写真の色味を決めます。本当はもっともっと複雑ないじり方ができるのですが、今回は「撮影編」でホワイトバランスをしっかり適正にしてある前提とし、「彩度」(=色の鮮やかさ)だけをいじります。

 彩度の調整には「自然な彩度」のスライダーと「彩度」のスライダーが使えます。「自然な彩度」は人間の肌や空の色、山の緑といった繊細な色におだやかに効きます。「彩度」はそうした識別をしないでわりと強引に鮮やかさを足したり引いたりする機能です。上の写真を見比べると、その名のとおり「自然な彩度」のほうが見た目にナチュラルな雰囲気になっています。撮影したプラモと見比べながら、「明らかに彩度上げすぎじゃない?」となる寸前まで上げておくとSNSで映えます。

 次は四角いマーク(「=効果」)をタップします。上から「テクスチャ」「明瞭度」「かすみの除去」という機能が出てきますが、このトリオはマジで強烈な効き目があるので気をつけながら使いましょう。

 ここで使うのは上のふたつだけ。「テクスチャ」を上げると表面の質感がバキッと強調されます。「明瞭度」を上げると陰影が独特の方法で強調され、写真がなんだか明瞭になるかわりに全体にちょっと暗く鮮やかさがなくなります。個人的に好きなのは「テクスチャ」を上げてディテールをパキッとさせながら、「明瞭度」をちょっとだけ落としてほんの少しマイルドにするという方法です。

 Lightroomには「もとに戻る」ボタンがあるので、いつでも「やりすぎた!」と思ったらやりなおすことができます。写真が壊れたりスマホが爆発したりするわけではないので、まずはスライダーをいじってその効果を見てください。

 つぎにピラミッドのようなマーク(=「ディテール」)をタップします。さっき使った「テクスチャ」は面の質感に強く効く印象ですが、「シャープ」は線に強く効きます。スライダをギュッと右に動かすと、プラモがなんだかパシッとカドのたった印象になるはずです(スジボリとかにめっちゃ効きます)。

 しかしこれは画像に入っているノイズや塗膜の荒れなんかもかなり強調する諸刃の剣なので、全体が目に見えて荒れてしまうほど数値を上げないように気をつけてください。

 どうしてもザラッとする場合は「シャープ」の下にある「ノイズ軽減」と「擬色の軽減」のスライダを50あたりまで上げてみましょう。本来は画像に乗ったノイズを緩和させるための機能なのですが、プラモに使うと表面をわずかにスムーズにしてくれるという副次的な効果もあります。かけすぎると塗り絵みたいになるので気をつけてね!

 最後に写真をカッコいい形に整えます。右のメニューから「トリミング」のメニューをタップしましょう。

 めちゃくちゃ大事なのが写真の傾き!人間の目はとても良くできているので、0.3度程度の傾きでもすごく気になります。ここで下の分度器みたいなマークを左右に動かして写真を真っ直ぐにしましょう。とくにガンプラなんかだと傾きはめちゃくちゃシビアに見たほうがいいです。立ちポーズでは首の関節から股関節のど真ん中の軸(これはパーツを透視したつもりで見てください)が鉛直な棒で貫かれているように見えるかどうかがキモです。

 で、最後に「トリミング」メニューの中にある縦横比を調整します。Twitterでほぼ切り取られずに表示され、家のテレビやスマホを横倒しにした時にもバシッと画面の全面積を使うことができるのが16:9だと思っているので、「16×9」を選択して、周囲の余白を少し切り詰めています。

 写真を撮る時に画面の端から端までパッツパツに被写体を入れて撮ってしまうと、角度の調整や縦横比の調整がまったくできなくなってしまいます(ので、プロカメラマンは絶対に周囲に余白を大げさなくらいとって撮影します)。とくに横よりも縦の余裕がない場合がいちばん困るので、気をつけるとすごく楽になりますよ!

 編集が終わっても、そこに写真があるわけではありません。最終結果は(昔DPE屋さんにプリントを頼んだように)書き出しマークをタップして、適切な場所に写真を書き出しましょう。これでようやく写真データが出力され、完成となります。

 ちなみに「共有先」とか「カメラロールに書き出し」の右にある謎のアイコンを押すと「書き出すときの画像のサイズ」とか「ファイルのフォーマット」とかを変更できます。これ案外気づかないので気をつけて……。

 めでたく完成した写真がこちら。スマホ、デスクライトとA3の紙、そしてスチレンボードを使ったレフ板という超最低限すぎるセットで撮影し、さらにスマホで編集まで完結しました。スマホの機種は気にせず、まずは同じことができるかどうかやってみましょう。少なくともいままで「何故かバキッとした写真にならないんだよな〜」と感じていた人は大きな変化に驚くはずです。

 もちろんここで紹介した以外のパラメーターをいじることもできます。写真の調整は写真撮影と同じくらい、いやオレにとってはそれ以上に楽しい遊びです。みんなも自分の思う「かっこいい写真」を求めて、ぜひLightroomの森に出かけてみましょう。発見されていないテクや自分だけの必殺技が手に入れば、プラモを作る楽しさは10倍にも20倍にもなるはずです!そんじゃまた。

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からぱた

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。