プラモで旅情。筑波山とファンタジーとケッテンクラート。

 涼しくなってきて何かと本が読みたくなる、つるべ落としの秋の夜。panpanya氏の漫画短編集『おむすびの転がる町』に収録された「筑波山観光不案内」が、とてもおもしろくて感激してしまいました。筑波山観光界隈の雑多な雰囲気をさらに摩訶不思議なファンタジー空間へとねじ曲げながらも、旅のおもしろみをやわらかなタッチで表現した見事な漫画です。これを読んですぐ、「明日の休み、久しぶりに筑波山へ行ってスナップしたいな……」と思いました。

 最近、防湿庫にしまいっぱなしだったレンズもいくつか持っていこう。それと、ついでに絵になりそうな被写体も持っていきたい。漫画に出てきた直立歩行するカエルみたいな、ファンタジーなフィギュアがいいな。お、丁度いいところにタミヤ 1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.377 ドイツ軍 Sd.Kfz.2 ケッテンクラート中期型が!

▲秋の夜は長いので、漫画を読んだらすぐにガーッと作りました。

 近ごろ流行りの異世界転生モノは、中世ヨーロッパ+剣と魔法的な(ドラクエ的な)世界観が多いですが、もしあと1000年後に異世界転生モノが流行るとすれば、世界大戦期+巨大ロボット的な(ガンダム的な)世界観が流行る可能性だってあるわけでありまして、そういう見方をすればミリタリーミニチュアは未来のファンタジーといえましょう。

 それに、nippperの記事で以前、ケッテンクラートのフィギュアだけにスプレーして、旅支度が完了だ!ってフミテシ氏がやっていたのを、いつか真似してやってみたいと思ってたんですよね。真似は模型の本懐です。そこで筑波山のカエルをイメージして、タミヤスプレーのコバルトグリーンをフィギュアに吹いてみましたけど……最高です。

 日曜の朝。私の住む土浦市から車でワンツーファイブを抜け、約50分。やってきました筑波山……のロープウェイ乗り場の駐車場……の隅っこにある一見廃墟(現役です!)と化した遊具場に。登山客が横目に通り過ぎていくここが、筑波山で一番ファンタジーな場所です。

▲パチッ……!
▲「私たちはどうやら、異世界に迷い込んでしまったようだ……」
▲「巨大なスイッチのような、何かの兵器だろうか……ここは崩壊した未来の世界なのか?」

 ケッテンクラートのフィギュアは、トボトボと歩いている姿がとても印象的です。そして、一番好きなポイントは3体とも、目線を正面ではなく、斜めに向けて移動していること。そんな意思を持って何かを見つめながら移動している姿を、逆に背後から撮影することで、フィギュアと同じ視界を共有し、その情景に没入することができると感じています。

▲逆光気味に撮って、シルエットを撮るのもいいですね。
▲朝や夕方の太陽が低い時間帯なら、伸びた影にピントを合わせるのも楽しいです。
▲屋外撮影っていいもんですね……。

 誰もいない場所へ、プラモに旅行をさせることで、ちょっとした異世界旅行を満喫しました。旅を模する、模型旅。そして旅する模型、ケッテンクラート。あ、いや、旅する模型ってのは私が勝手に思い込んでるだけですが、遊びのすべては想像次第だということで、何卒。

ハイパーアジア
ハイパーアジア

1988年生まれ。茨城県在住の会社員。典型的な出戻りモデラー。おたくなパロディと麻雀と70’sソウルが大好き。