五重塔の模型のモケイ/フジミ 浅草寺

 エッフェル塔やバベルの塔というときの「塔」という漢字。その語源は「ストゥーパ」(=仏塔)なんだそうです。ストゥーパというのは仏舎利(釈迦の遺骨)を納めたモノ。かつてアショーカ王は最初に作られた10基のストゥーパを壊して84000に分解し、各地にストゥーパを建設しました。ストゥーパは中国を経由して日本に伝来。その過程で木造建築の影響を受けて五重塔、三重塔や多宝塔となります。

 浅草にある浅草寺にも五重塔がありますね。浅草のランドマークとしての「塔」とともに、本来の意味であるストゥーパの役割も持ったこの五重塔。じつは何回も震災や火災で失われており、現在あるのも戦災により焼失した後、鉄筋コンクリートで再建したモノです。

 つまり、今私たちが見ているこの五重塔、これ自体が五重塔の模型なのではないだろうか。そしてここにあるのは五重塔を含めた浅草寺の模型。これを家に建立すれば二重の意味での模型ということになるのだろうか。

 浅草寺の本堂と五重塔は瓦屋根ではなく、チタン製の屋根。GSIクレオスの「スーパーチタン2」で塗装していきます。実際は瓦屋根風になっているのでチタン色ではないんですけどね。チタン製の屋根に驚いた気持ちをプラモに焼き付けよう。他の部分はモンザレッドで塗装しました。

 こういう建物のプラモデルを作るのは今回初めて。組み立てる前はなんとなくお土産物屋に売ってるような置物を想像してました。たしかにそういう部分もあります。戦車模型やカーモデルみたいな精密感というのはない。でも、そういうものとは違うスケール感と存在感がある。テーブルに置いて、ふと見た時に五重塔だな、浅草寺だなと思える特徴はきっちり捉えてる。だから、このあっさりとした組み味の中にモチーフに対する印象や気持ちを乗せられる余地がある気がします。

 当時の浅草寺に想いを馳せるタイムマシンにするのか、現代の機能的な建築を再現するのか。ストゥーパとしての五重塔なのか、ランドマークとしての五重塔なのか。もちろん浅草寺として作らなくてもいい。だって浅草寺って言うプレートが無かったら本堂だけで浅草寺だって分かる人はそんなに多くないはずですよ。

もとぴ
もとぴ

東京在住。世界を理解するための糸口としてプラモデルを制作中。趣味の記録や思索のためにnoteも書いています。