未来と過去がひとつの箱のプラモデル

 東京メトロ銀座線の浅草駅を降りてすぐ。吾妻橋のたもとに水上バスの乗り場があります。隅田川や東京湾臨海をめぐるその船は、お台場や豊洲に向かうもので、クルージングをしながらスカイツリーやレインボーブリッジなど東京の観光地を眺めることができる……そうです。私は乗ったことありません。住んでるところの観光地って意外と行かないですよね。

 実はこの水上バス、松本零士先生がデザインした「ヒミコ」「ホタルナ」「エメラルダス」の3隻が就航していて、宇宙船のようなデザインがめちゃくちゃカッコいい。その中でも最初に就航したヒミコのプラモデルを買ってきました。

 船の外形はドーンとまるまるクリアパーツでできています。大きなボートのような船体にクリアパーツを被せる単純構造。その上に細々とした手すりやなんやかんやのパーツを貼り付けていくというもの


 塗装指示はホワイト、シルバー、艶消しブラックと脅威の3色。大量のカット済みのマスキングテープが付属していて、これを窓枠にせっせと貼り付ければ、あとは缶スプレーでブワーッと吹けば完成するというのが想像できます。喫水線から上、水面から出ている部分だけが造形されているのもあって船らしいパーツがほとんどないのでマジで宇宙船のプラモですと言われても信じてしまいそう。

 それにしてもなんかパーツ多くね?と思いながら見てみると、箱の中からグレーの入母屋屋根が出現。なんか東京浅草寺って書いてあるぞ!箱の横には「豪華特典浅草寺模型付き」の文字。

 本命の水上バスと同じくらいのボリュームの浅草寺プラモ。しかも塗装指示は水上バスより多いので、実際に組み立てると浅草寺の方が時間かかるんじゃない!? ……もはや特典じゃなくてこっちが本命なんじゃないかと思えるほど。また、普通だったらスカイツリーとかアサヒビール本社とかを特典にしそうなところに浅草寺を付けるセンスに脱帽です。

 まるで宇宙船のような未来チック水上バスと日本の伝統建築がプラモデルになって同じ箱に入っているという、そのギャップにクラクラしてしまうプラモデルでした

もとぴ
もとぴ

東京在住。世界を理解するための糸口としてプラモデルを制作中。趣味の記録や思索のためにnoteも書いています。