プラモでどうしても作りたい「スペースシャトルを運ぶ飛行機」の話。

 旅客機が好きだけど、旅客機のプラモを完成させたことはない。何度も乗ってるし、細部までよく見たつもりだし、結果としてすっごくよく知ってるから、「実物の雰囲気をプラモで表現するのって、めっちゃ難しい」と思っちゃうんだよね。まあ、それは自分の思い込みなんだけど。

 スペースシャトルも似たような感覚で、小学生の時に工作用紙で無理やり作ったことはあっても、プラモとして完成させたことはない。旅客機よりもずっとずっと複雑な表情だし、夜な夜な打ち上げの中継にへばりついたり書籍を読み漁ったりしていたから、やっぱり「実物の雰囲気をプラモで表現するのって、めっちゃ難しい」と思っちゃう。

 一昨年ようやく実物を見た。機体表面は布とセラミックタイルが入り乱れていて、とにかく情報量が半端じゃない。「ああ、やっぱりこれプラモで作るの無理だよなぁ……」と打ちひしがれたのを覚えている。

 しかし、別室で放映されている記録映像を眺めていると、やっぱりムクムクとプラモを作りたくなる。

 自力で空気中を航行することができないスペースシャトルは、必要とあらばジャンボジェットの背中にくくりつけられて移動するのだ。旅客機にスペースシャトルが乗っかって、カリフォルニアの空を飛んでこの博物館にやってきました、という映像は何度も見ていたつもりだったけど、「今ここにある機体がどのように運ばれてきたか」という説明を聞いていると、「いや、やっぱり作らないとな」なんて妙な義務感が湧いてくる。

 そのあと、一度お手つきをした。実物の雰囲気なんて一回気にせず、ジャンボに背負われたスペースシャトルのカタチを眺めるだけでもいいじゃないか。そう考えながらパチパチとパーツを切り出して貼っていたんだけど、やっぱり途中で「うーん、ここはもっとなめらかに」「ここはもっとゴツゴツした表情を……」と欲が出てきてしまい、結局途中で投げ出してしまったのだ。

 プラモのいいところは、望んでいればいつかどこかで必ず再チャレンジのチャンスが来ることだ。ハセガワから再販された「スペースシャトル オービター & ボーイング 747」のハコを開けると、やっぱりまたNASAのロゴがいっぱい入っていて、白地に青いラインのジャンボと銀の地にトリコロールのラインのジャンボが選べる。いつの時代にどの個体を運んだのか、どの組み合わせで作ろうか……と、また夢が膨らむ。

 3度目の正直、という言葉がある。2度目だからと気負わずに、でもゴールにはこだわって、今回はカタチになるまで付き合ってみよう。うまくいかないところがあっても投げ出したりせずに、「今の自分はこんなもん」で、作る。完成したものを眺めて、もし納得できたらラッキー。再挑戦の機会もいつかきっとあるはず。

 ところで……。今回の再販されたハセガワ製品を見て驚いたのが、ハコ側面の表記。いままで気づかなかったけど、最近は「このキットには接着剤が必要だよ!」という注意書きが入るようになったみたいだ。パーツ同士を押し込むだけで組み立てられるスナップフィットのキットを精力的に開発している同社だけに、ユーザーの層が少しずつ変わっていくのに対応しているのかな、と思わせるワンポイントだった。

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からぱた

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。