鉄道プラモの新しい風。小湊鐵道キハ200形を組み立ててみよう!

 いやー、前編はなんだか気取った感じで書いちゃいましたが、PLUMのキハ200形すごくいいですよ(満面の笑み)。1両組むだけでも「単機です!」って言えるし、最大でも3両くらいで運用されてますし、気力にも懐にもかなり優しい車両です。

 え、キハ200形知らん?特急ぬめりさんの動画を見るのじゃ。

 はい、べつにここの駅がどこにあるか知らなくても欲しくなったでしょ。いまもバリバリ現役のディーゼルカーのプラモが出たんだから飛びつかなくてどうするんだっちゅう話です。

 さてキットを組んでの印象ですが、全体の設計も同社の前作にあたる国鉄201系より随分と洗練されていて、わりと少ないパーツ数で立体感あふれる車体構造がズバッと味わえる印象。ナーバスな組付けも激減しているわりに、前〜中期型の全車両の個体差をほぼフォローアップしたパーツ組み合わせ塗装指示も説明書に記載。デカールも遊び心に溢れているので例えば戦車や戦闘機の細かい違いとかに「フンス!」と興奮する人ならばこのプラモは絶対大好物。断言しちゃいますね。

▲とにかく説明書の情報量が異様!どのパーツがなんの機能を持っていて、個体ごとにどう違うかも網羅してます。
▲デカールの選択肢、ありすぎ!

 さて、鉄道というのはだいたい台車の上に台枠というもんが乗っかっていて、その上にボデーが乗っかっています。ほとんど前後対称なんで同じ作業が2回あると思っていい。これがすっごくめんどくさいと考えものなんですが、キハ200形はギリギリ「あ、面白い!」と思えるボリュームに収まっています。とくに駆動系が自動車のシャーシを組んでいる感覚とほとんど同じだったり、台車がそこまで複雑な構造じゃないのが効いてますね。

▲この無数の穴に小さな床下機器をたくさんぶっ刺していく構造。意外と左右非対称だし穴の位置やカタチも考えられているので組み間違えることはない!
▲台車もかなり込み入ったカタチだけど、思ったより少ないパーツ数でかっちりと組み上がります(×2!)

 動力が車体に内蔵されるタイプの「走る鉄道模型」だと、そのほとんどが室内の様子を実車どおり再現できないのですが、これはディスプレイモデルとして設計されているので床から天井までバッチリ再現。つり革や網棚、ロングシートや運転台も色分けと相まって実感あふれる仕上がりになります。

▲鉄道車両をこうやって見ることないもんねえ。

 組んでいて唯一「イーッ!」となったのが客室の窓。大きなクリアーパーツに小さな窓(閉じたもの、半開き、全開から選ぶことができます)をハメてから車体側面の穴にハメ込む……という構造なのですが、パーツ同士のクリアランスがわりとキツくてギシギシします。定位置にスムーズに収めようとするとクリアーパーツか塗装済みの車体というどっちも手を出しにくい部分を加工しなければいけない。うーむ困った。

▲大きいクリアーパーツをピンクの線でカット。真ん中の部分は使わない、という選択があります

 小さい窓パーツは開閉それぞれを選べるようになっているので規定の枚数より多く用意されていますので、窓パーツを直接車体に貼り付けていくことでなんとかクリアーしました。車体内部に露出する排気管カバーの取り付けは目見当でエーイって貼り付ければ勝利です。

▲ミチミチの床下。全体をつや消し焦げ茶色でファーっと汚すのもいいかもね。

 夕食後のちょっとした時間を2日ぶん使って1両の組み立てが完了。やりかたをググれば動力を内蔵したタイプの台車(別売り)を買って動力化(HO/16.5mm幅の鉄道模型用レールの上を走行)も可能な設計なので、走らせてみたい人もHOの世界に飛び込むきっかけになるかもしれません。なんという危険プラモ!

 この小湊鐵道、ただ背景のないところにポンと置いてその佇まいを楽しむのもいいのですが、ウデに覚えのある人ならば里山の風景を作るのも一興。とにかく小湊鐵道って絵になるし、沿線風景がグッと来るところばかりなんですよね。汚し塗装も似合うしキレイに洗車してあるのもいいし、実機を見に行こうと思えば見られるし、なんならちょっとのお金で実際に乗れちゃいます!一家に一本、小湊鐵道で小さな旅に出かけましょう。きっと新しい組み立て体験と、新しい景色との遭遇が待っています。

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からぱた

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。