

……ということでパイロットまでもがビカビカのメタルスタイルでお迎えしてくれる最強のレシプロ戦闘機プラモ、タミヤ1/48飛燕のシルバーメッキ版。その素性の良さとメッキのクオリティについては以下の記事で書いたとおり。
で、全部がメッキされたキットってどうやって組むの?……とオレも思っていました。メッキ層には通常のプラモデル用接着剤が効きません。説明書には「接着面のメッキをナイフなどで剥がしてから接着してください」と書いてあります。しかしこちらは大門未知子的なアティチュードでプラモに向き合いたい。「いたしません」の精神で、創意工夫がこのキットを輝かせるのではないかと思う所存であります。
はい、セメダインの「模型用ハイグレード」の登場です。メッキパーツでも貼れるし、はみ出したら水を含ませた綿棒でするんとオフ。水性接着剤なので乾燥にはちょっと時間がかかるけど、弱点はむしろそこだけ。この美しいビカビカ戦闘機だってこれで組めるんじゃないのか?という実験の時間でございます。

いかにすばらしい接着材と言えど、チューブから粘度の高いのをそのままパーツに塗るのは正直たいへんです。この可能性の獣をどう手懐けるかについてはフミテシがあらゆる実験をしてくれていましたので、そのまま参考にしちゃいます。
「まず瓶に移しとけ。そして水で割れ。さらに待て。」
……この3つの掟を守れば、プラモ製作の概念がちょっとだけ変わります。マジです。
これらのテク(っていうか「考え方」だよね)を総動員することにより、通常のプラモデル用接着剤が乾くのを待つよりはちょっと時間がかかるけど、別の作業の合間にちょろちょろと進めることでゆったりと確実に組み上げていくことができました。正直驚いた。やればできるじゃん。

とはいえ、主翼とか胴体みたいな巨大なパーツは強度がほしいしそれなりにスピーディーに作業したい。接着材が生乾きの状態でいじってしまって、接着面がズルっとズレたりしたらイヤなのでここは説明書の言うことを聞きます。大門未知子にも伝統を守る日はある。
ちなみにゲート(ワクとパーツを繋ぐところ)を切り落とした跡はメッキが剥がれちゃうじゃん?と思ったのですが、そういえばこのキットは外観に影響しそうなところはジャンプゲート(通称アンダーゲート/パーツ裏面にゲートがくっついている)になっています。なんだ、キミはもともとメッキバージョンとして生まれ変わることが宿命付けられていたのかい?と語りかけたくなるすごいプラモだなホント。

パーツの裏面をよーく見て、接着面だけヤスリでそ~っと削ります。タミヤのメッキはすごく薄いのでほんの少しサッと撫でるだけでプラスチックが露出します。ガリガリ削るともともとの接着面が歪んだり痩せたりしてキレイに組めなくなってしまうので、メッキ層だけをキレイに剥がすべし!
ちなみにこのキットはメッキの上から何かしらのコーティング処理がされているので塩素系漂白剤でメッキを落とすことができませんでした。「剥がして塗装派」は気をつけてね。

接着面のメッキ層を剥がしたら、ほんの少し、パーツ表面にくっつかないよう合わせ目の端っこから流し込み接着剤をチョン。流した後にパーツをぎゅうぎゅう押さえつけると溶けたプラスチックが合わせ目からドロッと出てきます。そうすっと合わせ目処理が面倒だしメッキを復活させることはできないので、最初にスキマが開かない程度に軽く押さえながら接着剤を流し込んだら、力加減を変えずにそのまま30秒待機!これでちゃんとくっつきます。

殆どの部位をセメダインのハイグレード模型用で、胴体左右と主翼上下だけをプラモ用の流し込み接着材で貼り合わせ、無事完成。ビカビカシルバーの表面をほぼ侵すことなく飛燕の姿が現れました。
プラモデルの精度が低いとスキマが開いたり無理やりカタチを合わせたりしてくっつけなきゃいけない部分も出てくるもんですが、すべての接着ラインが異次元の精度でバシピタと合うタミヤのキットだからこそできるメタルな貴族の遊び!ここからオリジナリティを加えていくもよし、金属製モデルのような佇まいをそのままストレートに楽しむもよし。フルメッキのプラモを組み立てるのがどうしても怖かったあなたも、水性接着材を味方につけてゆっくりとした輝かしいプラモ組み立てタイムを味わいましょう。そんじゃまた。