最高傑作プラモに与えられた銀メッキの栄誉/タミヤ 1/48 三式戦闘機 飛燕

▲2017年に作ったやつ。シルバーで塗ってバシッと仕上げました。

 もうね、傑作。大トロだけが口にポンポン放り込まれるような素敵な体験が2016年に発売されたタミヤの1/48飛燕なんです。こんなにピシパシとパーツがキレイに合うプラモがこの世にあるんか!と誰もが驚くすっばらしいプラモなんですよ。そのビタビタのプラモが、この度なんとシルバーメッキ仕様になって飛来した。これは大変なことです。

 だってさ、最初から銀色なんですよ。通常バージョンの飛燕はグレーのプラスチックなのですが、今回発売されたタミヤの1/48飛燕はビッカビカに光っているのでこれは大トロではなく最高の光り物。いわばシメサバ。丁寧に捌かれた素材をタミヤが秘伝のメッキで〆てくれているので、そのまま召しあがれば昇天間違いなしというわけです。

 びっかーん!と光るシルバー……とは言え、いわゆる鏡面のテロンテロンではなくすこしサテンのようにしっとりとした質感がジュラルミンの肌合いをうまく表現してると言えましょう。メッキ層にも厚みがあるのでいわゆる「メッキバージョン」のプラモデルっていうのはどうしてもハメ合わせがキツくなったり、微妙な誤差が集積してキレイに組めないことがあります。

 しかし、このディテールを見れば分かるとおり、繊細なスジ彫りもリベットラインもしゃきーっとクリアに視認することができます。メッキ層がすごく薄いので、タミヤ1/48飛燕にもともと入っていた彫刻がスポイルされてないっちゅうワケ。エライですねぇ。

 機体の外板がシルバーなのはわかりますが、本来はいろんな色に塗られている機体内部やプロペラなどもすべてビカビカのシルバーになっています。このまま刺し身で頂戴するか部分的に塗装するかをユーザーが選択できますが、個人でメッキ加工を施すのは難しいので今回はそのまんまバシッと組むことに。

 塗装や削りといった加工を拒むメッキ塗装だからこそ、むしろ「組んでカタチを楽しむ」ということに集中するのもアリだと思うんです。迷彩とかつや消しガサガサの表面では味わえない、飛行機本来のシュッとしたシルエットと曲面のうつろいをじっくりと眺められるのが金属色の特権なんだよね。

▲ちなみに特徴的な液冷エンジンはグレーのプラスチックで用意されています。
岐阜かかみがはら航空宇宙博物館オフィシャルサイトより。行ける人はホンモノを見てみよう!

 シルバー飛燕は実在するのじゃ!ということで、たとえばこのシルバーのまま組んで表面のツヤや色を少し調整することで楽しんでもいいし、もちろん部分塗装でメッキとペイント部のマリアージュを楽しんでもOK。なにしろこんな遊びができるのは「そもそもタミヤ1/48飛燕がすごすぎるキットだから」という話に尽きます。接着剤不要モデルなのか!?と混乱するほどバチピタのパーツたちはもちろん、合わせ目がほとんど表に出ない設計も秀逸。薄いところは薄く、頑丈であってほしいところは頑丈にできているのも最高です。

 で、このキットのもう一つのうれしいポイントが迷彩デカール。これも通常バージョンには入っていなかったのですが、「シルバーの機体に貼れば迷彩になるよ!」というタミヤの提案です。プロペラや尾翼はベタ塗りでもいいですが、このボケ足のある複雑な模様はエアブラシか筆の達人じゃないと難しいもんね。

 レシプロ戦闘機プラモのなかでも最高傑作のひとつと言えるタミヤの1/48飛燕。銀メッキをまといながらもピュンピュン組めるのは、その圧倒的な精度と設計の妙。ワタシ的には「シルバーメッキ版はそのままストレートに、通常版をじっくりと組み立てて、迷彩デカールを流用して仕上げる」というのがオツだと思います。ちょっと贅沢に感じるかもしれませんが、2度組んでもまったく飽きないどころか、新鮮な驚きを再度提供してくれたこのプラモへの、最大の賛辞としてオススメしておきます。

▲どうやって組むのかは、また明日!
<a href="/author/kalapattar/">からぱた</a>
からぱた

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。