射出成型で生まれる宇宙/タミヤ ポルシェ959のゆらぎを愛す。

 プラスチックを成形するとき、金型のなかで冷え固まりゆく樹脂の流れによって「ウェルド」と言われる模様ができることがある。特にプラスチックの色が金や銀のときには、このウェルドがなんとも言えない揺らめいた模様を描く。

 私にはこのウェルドラインが、大理石や銀河が生み出すガスの流れのように見えて好きだ。この間買ってきたタミヤのポルシェ959にもボンネットやルーフの部分に宇宙が生まれていた。私はこの深いシルバーの成形色に流れる銀河の美しさをそのままに上手く調理する方法を模索し、クリアーレッドでボディを塗装することにした。

 エンジンやホイールは成形色の銀のままにどんどん組み立てて行く。特にホイールは細かくウェルドラインが入って綺麗なので上からシルバーで塗装してしまうのはもったいない気がした。

 エアブラシでクリアーレッドをボディに吹いていく。最初は紫のような色がつき、吹き重ねていくとだんだん深い赤に変わっていくのが楽しい。今まで塗装で最も好きなのは黒のベースにシルバーを塗っていくことだったが、シルバーのベースにクリアカラーを塗っていくのもランクインしそうだ。

 下のシルバーが透けてメタリックレッドになる。もちろんウェルドラインもそのまま残っている。ただ、結構難しいポイントもあった。大きな面積にクリアカラーを塗ると意外とムラになりやすいのだ。次に塗装する時にはもっと塗料を薄めるシンナーを多めにして薄く色を塗り重ねていくのがいいのかもしれない。


 プラモデルを塗装する時に楽しいのはプラスチックの質感がレザーやメタルに変わっていくところだったりする。とはいえプラスチックの滑らかな質感も私は大好きだし、ウェルドのようにプラスチックにしか出せないテクスチャーがある。元はプラスチックなんだぜと友達に自慢するためにもプラスチック部分を残して作るのもいいなと思うのだ。

もとぴ
もとぴ

東京在住。世界を理解するための糸口としてプラモデルを制作中。趣味の記録や思索のためにnoteも書いています。