嘘だと思ってハズキルーペを買ったらプラモ超人になった話。

 いやー、ごめん。ナメてました。ハズキルーペ、大好き! 

 …….プラモ作るのに拡大鏡はマジ便利。基本的に模型は何かが縮んでいるのでこまかい作業になりがちなんですが、拡大鏡をかけると手元が超拡大されるので作業が楽になるし、視界が明るく感じられるという副次的な作用もあります。愛用しているのはAmazonなどで売られている格安のもの。レンズは倍率違いで5枚入りですが、私は3.5倍のものを付けっぱなしにして運用しています。

 どっこい、このヘッドルーペって視界がかなり狭くなるのと、ごっついので着脱がけっこう億劫であるという弱点があります。たとえばこまかいパーツを接着しようとして視界の外にある接着剤に手を伸ばそうとしても、距離感がわからない上にそもそもピントの位置が限られるので机の上のどこに何があるのか一瞬では判断できません。

 つまり、ヘッドルーペはめちゃくちゃ細かい塗装をするとか削り作業や接着作業で神経を使う、ここぞというときの局地戦に投入するべきもので、かけっぱなしであれやこれや(パーツを探す、ちょっと離れた塗料を拾う)の作業には圧倒的に向いていません。まあそれはそれで、そんなもんでしょ、と思っていたのですが……。

 意を決してハズキルーペを買ったのです。レンズは色なし、ラージサイズで倍率はいちばん高い1.85。ちなみにメガネ屋さんには「まだまだ老眼じゃないから!」とお墨付きをもらっている私ですが、やっぱり近くの細かいものを集中して見続けるには筋肉が必要だし、そもそもハズキルーペを試着したときの視界とピント位置の広さにめちゃくちゃ感動した。これを装着して模型を作ったらどうなっちゃうんだぜ……。

 たいへん凄い。何が凄いかと言うと、作業机もパーツも自分の手も全部1.85倍の大きさに見えます。普通のプラモのランナーを持つとA3見開きの雑誌を眺めているような広大さ。細かいディテールもゴリゴリに見える。なにこれ。1/35の戦車のパーツが1/18くらいの寸法に見えるし、なにより頭を急に振ったり突然遠景を見たりしない限り、ルーペ特有の「オエッ」って酔う感じがないんです。

 もちろん視野がひろいので作業机の上にあるものはハズキルーペをかけたままどこにでも手が届くし、そのままニッパーとパーツを拾うことも可能。ピンセットや面相筆でのちまーっとした作業もいままでのおよそ倍、いやそれ以上の精度でカチーンとこなせるようになってしまいました。ハズキルーペからは1円ももらっていませんが、コレはマジなのでいちど試してみてほしい。っていうか買うべき。すごい楽……。

 数多くの模型パイセンが当たり前のように装備しているハズキルーペとはいえ、普段から近接視力にさほど不安がない自分がこんなにカンドーするとは思っていませんでした。いやあ、すごいよハズキルーペ。ネイルアーティストとか手仕事するみなさん、さすがに有名すぎるブランドのガチアイテムは性能もガチでした。レンズの設計が丁寧だから周辺も像がそこまで大きく流れないし、ホント自然。

 もちろん高倍率のヘッドルーペはフィギュアの顔塗装なんかで決戦兵器としてまだまだ活躍する予定ですが、普通にパサーっとプラモを作る時にかけるハズキルーペ、まじリコメンドです(ちなみにiPad Proでマンガ読むと新聞紙かよってくらい大きくなるのでおもしろいぞ!)。

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からぱた

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。