ピックアップ・タミヤMMフィギュア! タミヤMMのオスカー俳優はコマンドポストにいる!!

 1975年に発売された「アメリカ M577 コマンドポスト」。当時まだ終わったばっかりだったベトナム戦争でも使われた、アメリカ軍の移動指揮車両です。と言われても、この車両は「四角い箱に履帯がついただけ」みたいな割とそっけない形。ではそこをなんとかしよう……と立ち上がったのが、この4人組です。

▲真四角で武器もなし! 地味だ~

 とにかくM577という車両は地味。指揮車両ってことで大砲もついてないし、形も四角いばっかでそこまで面白くない。しかし、前年に発売したM113のバリエーションキットってことで、出しておきたい車両ではある。ということなら、この車両はタープを張ったキャンピングカーみたいな感じで天幕張って野戦指揮所を作る能力があるし、なにやら会議をしている4人に「いい感じのプラモ」に見えるよう頑張ってもらおうじゃないの……。そうタミヤの人が考えたかどうかは知りませんが、とにかくこの4人は、全体的に芝居が濃い70年代MMのフィギュアの中でも特に濃いめ。「会議、やってます!」というパワーが漲っております。

▲トリッキーなところのない、「兵隊のフィギュアといえばこれだよね~」というパーツ
実家のような安心感……

▲ベトナム戦争の時の兵隊はこんなだよ、という解説付き

 フィギュアの分割は「両腕、上半身、下半身、以上!」なので、シンプルそのもの。さすがにこの辺は昔のタミヤのキットだなあという感じですが、なんだかんだいって装備品の色指定とか解説がちゃんとしているあたりはMMならではの安心感です。くっつける部品もそんなにないし、あっという間に形になりますね。

▲ほぼガンバスター
▲「ちょっと待って! ちょっと整理させて!」みたいなポーズ
▲この腰つきを見よ
▲あんまり兵隊のフィギュアで見ないタイプの小物が嬉しい

 で、完成するとこんな感じ。見よ、この芝居の濃さ。単に腕を組んで立ってるだけの人からすら、「う~ん、そうね……」と考え込んでいるムードが充満しています。イスに座っている人も「ちょっと待ってね、整理するから……」という手つきが秀逸。そして立ち上がってテーブルに片手をついている人の、この腰つき! 肩の方に体重を乗せつつ、首を右側にひねったことによってキュッと突き出されたこの腰の感じ! 有名なところだと88㎜砲の指揮官の彼とかもそうですが、この時期のタミヤの人形って腰のひねり具合や落とし具合が妙に印象的な人が多いんですよね。

▲テーブルから顔を上げた時、人間はこういう頭の角度になるのだ……

 そしてトドメはこのテーブルの地図を指さしてる彼。ヘルメットから判断するに、機甲部隊の部隊長あたりなんでしょうね。偵察から帰ってきて「こことここに敵がいた」と教えているシチュエーションなのかなという感じですが、状態を寝かせつつちょっと斜めに傾げながら首を持ち上げている仕草がマジで戦争映画で見たことあるやつ。「机の上のものを指さしながら周囲の人たちに話しかけるアメリカ人」の動きが完璧にトレースされてて、ちょっと引くくらいです。見れば見るほど、どうやって演技をつけたのか知りたくなりますね。

▲全員集まれば地味な車両も賑やかに!

 というわけでM577は、地味な車両も付属フィギュアの芝居によってはその車両の役割やシチュエーションがぐっと際立ち、魅力的に見えてくる好例のようなプラモデルでした。こうして見ると、車両とフィギュアはスイカと塩みたいな関係なんですねえ。では主役のはずのM577はどんなプラモなのさというのは、また次回書こうと思います!

しげる
しげる

ライター。岐阜県出身。元模型誌編集部勤務で現在フリー。月刊「ホビージャパン」にて「しげるのアメトイブームの話聞かせてよ!」、「ホビージャパンエクストラ」にて「しげるの代々木二丁目シネマ」連載中。プラモデル、ミリタリー、オモチャ、映画、アメコミ、鉄砲がたくさん出てくる小説などを愛好しています。