刺し身でも煮付けでもイケる新時代のカーモデル/アオシマのLBウラカンの強烈ギミックに驚け!

 色分けバッチリ、パーツ少なめでカーモデルの門戸をより多くの人のために開こうと開発されたアオシマの「LBワークス ランボルギーニ ウラカン Ver.1」、そのパーツ構成についてはすでにお伝えしたとおり。まだ読んでない人は下の記事をドウゾ!

 さて、このキットをアオシマは「スナップキットシリーズからのステップアップに最適!」というキャッチフレーズで売り出しています。つまり、シールを使えば塗装はいらんけど、組み立てには接着剤を使いますよ〜という仕様がミソ。もちろん塗装するかどうかはユーザーが選ぶことですから、塗ってもいいわけです。

▲いろいろ書いてあるけど、ホントのところはどーなのよ!?

 へえ〜と思いながら最初の工程、ディスクブレーキの組み立て。あれ、スナップフィット(接着剤がなくてもパーツがパチっと固定される)じゃん!? もしかしてこれ、「基本スナップフィットだけど、しっかり固定したければ接着してもいいかもね」みたいな感じなのか?

 そんなことはなかった。大部分が接着剤で組み上げるタイプのプラモです。ただし、ノリシロはしっかり用意されていますから、パーツを所定の位置にしっかりと合わせて流し込みタイプの接着剤を少量置いていけばピシリパシリと作業が進んでいきます。塗装して組むときにもノリシロがしっかりあるのは大事。最近のカーモデルはタミヤ製品も含めて「ノリシロがちゃんとある」というのがトレンドですね。

 シールはホイルシール(銀紙みたいなのに印刷されているもの)と透明のテトロンシール、そして黒いフィルム状のものが3種類。さらに同じマーキングが印刷されたデカールも用意されています。シールの利点は台紙から剥がせばすぐに貼れること。デカールの利点はシールと違ってすごく薄いことです。細部の色再現は塗装よりシールのほうが簡単ですね。そんでもってデカールは貼るのにちょっとスキルが必要だけど、実感ある仕上がりになります。

▲シールでダッシュボードをデコレート。なかなかこまかい再現ができます。厚みはちょっと気になるけどね〜。

 このキットは練度に合わせて全部シールで仕上げるか、デカールを部分的に使うか、全部塗装してデカールで仕上げるか、その順列組み合わせで何通りにもラクすることが(そして従来の普通のカーモデルのように仕上げることも)できます。「おれは窓枠のシールなんていらん!塗るもんね!」という人もいるかも知れませんが……。

 左のように窓ワクをシールで表現してもよし、右のように「塗るためのマスキングにシールを使う」というのもよし。うーん、ありがたいっすねこれは。そもそもプラモって初体験の人でも、熟練した人でも組めることが超大事だと思うんですが、その間にはいろんなスキルレベルのユーザーがいるわけです。

  で、このウラカンは「万人が自分でレベルを選んで使うものを決められる」というのがポイントですな。自分で選ぶのって結構難しいんですけど、たとえばデカールに挑戦して失敗してゲームオーバー……とはならず、シールという救済措置もありますからちょっと背伸びしてハイレベルなモデリングに挑戦するのにも優しい製品だと思います。

 そうそう、カスタムカーといえばベタシャコ/ツライチと呼ばれる車高調やトレッドとフェンダーの位置関係がむっちゃアピールポイントになります。で、このキットの説明を読むと「組み立て後も車高やキャンバー角を自分好みに調整可能」って書いてあるんですよ。どんなギミックなのかと思ったらなんと車軸が存在しなくて、ロボットモデルの関節みたいなもんがシャシーから生えている!

 なんてラジカル!このT字型のバーをグイグイ動かせばタイヤの角度や位置が自在に変えられるというビックリドッキリギミックなのでした。デロリアンの飛行形態みたいにもなるぞ……。実車の構造とは全く違うけど、LBワークスのスタイリングと車高調の楽しさを模型でさっくり楽しもうぜ、というコンセプトに照らせばこの判断はジャスティス。

 いやあ、思い切った模型っていいですね。構造をそっくりそのままトレースして組み上げられなかったら元も子もないですから、模型によって機能を変える。これはこういうルックにしたいからあえておもちゃライクなギミックで乗り切る!というジャッジが眩しいぜ……。

 完成してみりゃド迫力のウェッジシェイプにハの字タイヤがズドンと目立つランボルギーニウラカンが完成!ボディもツヤツヤに成形されていますから、いっさいとそうしてなくてもこのルックになります。後ろのタミヤ製マクラーレン・セナ(これはブルーだけ塗ったもの)と比べても遜色ないしあがりと言っていいんじゃないでしょうか。

 サラッと組んでスタイリングとギミックを楽しんでよし、ガッツリ塗って本格的カーモデルの仕上がりにしてよし、刺し身でも煮付けでもおいしく食べられるようじっくり育てられたアオシマの最新カーモデル、いままでにない構成になっていておかわりするのも楽しみな一品です。こんどはガンメタ仕様も発売されるらしいので、そっちも気になりますね……ということで、みなさんも、ぜひ!

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からぱた

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。