オラこんな村いやだ/PLAMAX 1/20 プロテクトギア

 『紅い眼鏡』『犬狼伝説』『ケルベロス-地獄の番犬』『人狼 JIN-ROH』『犬狼伝説 紅い足痕』『ケルベロス 鋼鉄の猟犬』

 ……これら”ケルベロスサーガ”と呼ばれる、押井守監督が生み出したカルト的人気作品群。今回はそのサーガを象徴する特殊装甲服こと「プロテクトギア」のプラモデル「MAX FACTORY PLAMAX MF-23 minimum factory プロテクトギア 紅い眼鏡Ver.」を紹介したい。

▲プロテクトギアは作品ごとに細部が異なり、こちらは第一作の映画「紅い眼鏡」のデザイン
▲接着剤を用意してさっそく組み立て。ダボがあるので貼り合わせ面がズレたりすることもなくサクサっと30分ぐらいで完成!

 装甲はつるつる、服は梨地と質感が変えてあり、塗装せずとも付属のシールを貼るだけでイイ感じの雰囲気になりそうだが、超個人的な事情により、思い入れ満載の藤原カムイ作画のコミック版『犬狼伝説』のプロテクトギアに改造してみる。

 さてその「超個人的な事情」だが、子供の頃は結構な辺境に住んでいた。テレビもねぇ!ラジオもねぇ!というほどでもなかったが、民放は1~2チャンネルしかなく、ラジオはNHK-FMとAMで隣国の放送が拾えるのみ、映画はドラえもんとゴジラが数年おきに来てたが、それもいつしか無くなった。

 そんなメジャーな情報媒体ですら危うい片田舎で、ちょっとでもマイナーなサブカルチャーに触れるのは容易ではない。唯一の入手経路は一軒だけある古本屋。そこにその手の本が陳列されることがあり、とにかく情報に飢えていた純朴な田舎の少年にはヤックデカルチャー。「世の中にはこういうものもあるんだ……!」ということに衝撃を受け、何かの扉がパカパカ開いていった。前述の「犬狼伝説」もそういった一冊であり、文明というか外の世界を割とマジにそこから感じていた。

▲左が犬狼伝説のイラスト。胸部装甲の形状と太ももの装甲等がキット状態とはちょっと異なる。
▲サラッとドライブラシを入れて完成。

 完成させてみるとあの頃の閉塞感をリアルに思い出してダウナーな気持ちになるが、一方であの片田舎のどこかに、この手のモノを所蔵していた(おそらく同一の)何者かが存在し、古本屋を経由して、その何者かの影響をモロに受けていた人間がここにいる……と考えると何やら不思議な気持ちになる。

 なお、私がその町を出た数年後にその店はなくなった。

 出る前にその店にいくつかの本を放流したが、それがまた誰かに何らかの影響を与えたかどうかは永遠の謎である…かの地に文明の光のあらんことを。

コピルアク
コピルアク

本業はゲームとか作る人だが、趣味のプラモを職場に飾ると「君の作るゲーム内容より良くできている」だの、「別の道行ったほうがよくない?」などと周りから言われる39歳会社員。