にじみでる個性を味わいたいなら プラモのメイクアップ・アゲイン

「作風」とか「個性」なんて言葉が創作趣味にはついて回るわけだけど、それに対してロジカルに攻めるやり方や、教材を通じて型にハマった技法を手にしようとした場合、「作風や個性が埋もれてしまう」なんて話が出てくる。

 ただ、実際に上手い人や少し手厳しく教えてくれる本なんかを読んでいると、「勉強で潰れるようなものは個性ではなくて、それでもなお滲み出るものが本当の個性だ」という話も出てくる。数年前に絵の勉強をした身としては、言ってることはよくわかる。理論に覆い被さられても滲み出る個性の面白さ。

 ミリタリーキューティーズのネーネはドイツの女の子なので、なんかドイツにゆかりのあるものに合わせて色を塗るとうまくいくだろうという目論みがあったのだけど、我が家にドイツ製のものはなかったので安易に「ライカのカメラみたいな感じに塗れやしないか」なんて思い、黒、銀、白、赤あたりを塗料箱の中から取り出して塗っていく。間違いのない配色といった感じで、ポップな面白さはないのだけど正しさに囲まれたカラーコーディネートはロジカルに進む良さがあった。

 ネーネの面白いところはシリーズで唯一ピタッとしたハイソックスを履いてることで、肌色一色のプラスチックでで塗装を楽しむことを想定した「メイクアップエディション」だとハイソックスの部分が単純な肌に見える。通常盤だと肌になっている太ももは、その逆に見えなくもない。

 どのキットも下着が普通に見えてしまうデザインなので、私の考えるドイツ的なストイックさを表現しようと思って太もも部分をスパッツにし、下着が隠れるようにする。スモークと呼ばれる透け感のあるブラックを取り出して太ももの上半分を塗っていく。あれ、なんか変な感じが。でも、隠れるし良いよね。

 しっかりと固めた塗装計画とモチーフのストイックさもあって、ネーネはとても正統派な仕上がりになった。メイクアップエディションはついつい派手に塗りたくなるところだけど、気持ちを抑えて塗り遂げられたのも嬉しい。最初はカメラを置いてる棚にポツンと置いておこうと思ったのだけど、雰囲気がとても良かったので急遽木材とタミヤの情景シートを買って台座を作ったほど。

 完成したのでTwitterに写真をUPしたのだけど、「逆にこっちのがエロい」と言われた。うん。私もそう思う。下着が隠れるようにとスパッツを穿かせたのに、エロくなった。キットの特性から来る脚の塗り替えの面白さに目をつけたことも、悪くない。カッチリと固めた塗装計画の中、唯一のブレはスモークを塗ったこと。そこに個性が表れた。その理由を問われるとしたらこう答えるだろう。「透けてる方が良いと思ったんだ」と。

クリスチ
クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。