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八人八色の魔法使い像を具現化する/フロストグレイブの魔術師ボックスを作る話

 私にとって典型的な魔法使いと言えば、「三角帽子にゆったりしたローブ、長い杖を掲げて呪文を唱え、白いひげを豊かに伸ばした大魔導士」といった古典的な姿がまず思い浮かびます。しかし、フロストグレイブの魔術師ボックスに並んだ無数のヘッドパーツを前にすると、そのイメージがごくごく狭いものだと気づかされます。 
頭の中の奥の方ではもっと多様な姿が想像できるているはずなのに出てこない。なので、実際にパーツを見せられると「あ、こういうのもあったな」とクイズ番組で答えを聞いた瞬間のような感覚に見舞われます。

 収められたパーツをひととおり眺めると、そこに広がる魔法使い像は思っていたよりはるかに幅広いものです。杖だけ見ても、持ち主の背丈に迫るほど長いものから、30センチほどの短いものまで実に多彩で、さらに本、水晶玉、薬瓶、素手のポーズといったパーツの数々が、「こんな魔法使いもいるだろう」というイメージを次々と呼び覚ましてくれます。次々とイメージ湧く体験をしていると、このキットのパーツ選択そのものに“誰もがうなずく魔法使いの幅”がセンス良く詰め込まれているようで、感心してしまいます。

 よく考えれば、魔法使いの姿なんて本当に様々で、ハリーポッターシリーズに出てくるダンブルドアの典型的な老魔術師から、葬送のフリーレンのように現代的で繊細なデザインまで幅広く存在します。使う魔法も、光や炎を放つファンタジー寄りのものから、骨や瓶に宿った呪詛のような不気味な力まで千差万別で、魔法、魔術、呪文”という言葉がもつ神秘性が善悪に幅広くまたがっていることに気づかされます。
 このキットの醍醐味は、多様なイメージを自分の手で自在に形にできるところです。顔の向きひとつで雰囲気が変わるし、本を抱えさせたり、瓶を帯に吊るせば専門家っぽさが出るし、剣を握らせればたちまちひとり旅の様相が増してきます。パーツが増えるほど塗装の手間も増えますが、そのぶん配色の妙で個性を出せる深みもあります。

 全部で8人の魔法使いを組めるセットだからこそ、自分が思い描く“ファンタジーの世界”を8通りの姿で可視化できる。買った人の頭の中にある「こんな魔法使い」に答えてくれる面白さこそフロストグレイブの魔法使いセットの魅力なのです。

魔術師ボックスⅠ[8体入り](Frostgrave Wizards) | フロストグレイブ・ミニチュア・ゲーム・ショップ

クリスチのプロフィール

クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。

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