

このロボットが街中に現れたら怖い。何が怖いって、わけのわからない形のものに遭遇する恐怖です。ロボデザインがわからなくても、変な形だとすぐにわかります。アニメに出てくるようなロボットって大抵は手足があって、だからこそなんとなく人間っぽさやキャラクターっぽさを感じるものなのだと、マックスファクトリーの1/72 ニコラエフを作って知りました。
このような腕がないデザインを考え、採用する組織が何を考えているのかがわからない。私はそれが怖い。予想だにしないタイミングで攻撃してくる感じがする。真意はさておき、異形のニコラエフは「普通はあるはずの腕がない」という常識の外にある恐怖感がありました。

変わった形の上半身は今までプラモデルを作る中で触れたことのない形状で、それがパチッとハマるのが気持ちがよい。それに操縦席を覆うクリアパーツが塗装済みでありがたい。しかし、よく考えると腕がないだけでなく、顔がない。恐怖の正体はふたつの組み合わせでした。というかダグラムに登場するロボットの多くはこんな感じで「顔」が無いんですね。
顔の代わりに飛行機的なコックピットが配置されているデザインが兵器としての雰囲気を盛り上げるのにひと役買っている。なのに、キャラクターっぽく足がある。このアンバランス感がニコラエフのデザインのポイントなのかもしれません。
腕も顔もない上半身を作ったあとの下半身のギャップがすごいです。これはもう知っているロボット的な下半身で、しかもよく動く。腰が回ったり、脚が曲がって稼働してしてくれて嬉しいなと、こんなに思うプラモデルも珍しい。だって、立ち方でこんなにも表情が変わるロボットってそうそうないです。

説明書に立膝のポーズで射撃姿勢をとっている姿が載っていて、なんなら箱に書かれているイラストも足を曲げてポーズをとっている。それに加えて、上半身をグイーッと回してみると、なんだか急に可愛らしく見えてきます。無表情で、人間離れしたデザインのニコラエフは動かすことで面白さが際立ちます。
組み立ての後半に訪れるワインレッドのランナーを使ってミサイルやバズーカを作る工程は淡いグリーンとパープルのニコラエフにアクセントを加えてくれて、急に引き締まった見た目に様変わりするので、最後まで一気に駆け抜けると、色の組み合わせの不思議も味わえる良いプラモデルでした。